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青空の下を一緒に
戸惑い



悟空はまじまじと私を見ていた。
『蛇に睨まれた蛙』…のような状態…。
「おめぇの気ってフワフワで不思議だな?」
「え…あの…そんなこと言われましても…」
悟空は緊張して固まる私にお構い無し。
私は私で言葉がおかしいかも…。
悟空に突然抱き上げられた。


「ひゃ…な…何?///」
「柔けぇし軽いんだな?」
悟空に人生初のお姫様抱っこをされた。
私の心臓はバクバクでいつ飛び出してもおかしくない状態。
そして持ち上げ抱っこに変わった。
私は悟空を見下ろす形になった。
「華月から甘くて不思議な匂いがすっけど何でだ?」


思わず悟空の肩を掴んだ。
(甘くて不思議な匂い…?)
そんなのはわかるはずもなかった。
「不思議な匂い…私がこの世界に来たことに関係してるのかも…よくわかんないけど…」
「この世界?」
悟空はキョトンとしていた。


私はずっと持ち上げ抱っこされたまま。
悟空は私の匂いをかんでいた。
(悟空なんか…犬みたい…しかもドキドキする…///)
「あ…あの…そろそろおろしてもらいたいんですが…///」
「このままでいたらダメなんか?」
そう聞かれた。
(そんな寂しそうな顔で聞かれたらダメなんて言えない…)


「ダ…ダメじゃない…です…///」
「サンキュー」
悟空は嬉しそうに笑った。
そして頭を撫でてくれた。
悟空の暖かい手に現実なんだと思えた。
ゴツゴツした手にそっと触れた。
(この手に触れられる日が来るなんて思わなかった…)


「悟空の手…大きくてゴツゴツしてる」
そう言った。
悟空は私の手を優しく握った。
そして指の間に指を絡めた。
「おめぇの手は小さくて柔けぇな?それに細くて白くて綺麗だな」
「そ…そうかな?///」


私は照れてしまった。
今までそんな風に言われたことがなかったから。
嬉しくて悟空の顔が見れなかった。
「おほんっ!孫くん?いい加減に華月をおろしたらどう?」
「おろさねぇとダメか?」
ブルマは呆れているようだった。


悟空は私を見て笑った。
「はは、おめぇの顔真っ赤だぞ」
「わ…笑わないでよ!///」
そう言った。
(もう…誰のせいで真っ赤になってると思ってるわけ?///)
そう言いたかったけどやめた。
悟空はやっとおろしてくれた。


私は椅子に座った。
そしてアイスミルクティを飲んだ。
「ベジータはどうしたんだ?ブルマ」
「とっくに重力室でトレーニングしてるわよ」
「そっか、じゃオラも行ってくるな?」
悟空はベジータの元へ行った。
ブルマはやれやれと言った顔をした。


「急にだったからビックリしたでしょ?」
「ちょ…ちょっとだけ…///」
私の心臓はまだドキドキしていた。
顔の熱がまだおさまらなかった。
ブルマはコーヒーを飲んだ。
そして笑顔になった。
「華月って孫くんが好きなの?」


唐突にそう聞かれた。
私は顔から火が出そうなほど熱が上がった。
そしてグラスを倒してしまった。
「そそそ…それは…///」
「その反応は…図星ね?」
私はグラスをたてテーブルを拭いた。
(ブルマには全てお見通しなわけ…?)


ー悟空sideー

何故かオラは華月が気になっていた。
さっきまで抱き上げていた手を見ていた。
両手に華月の温もりがあった。
初めて会ったのに気になってる。
今までそんなことは一度もなかった。


『この世界』…と言った言葉が気になった。
「なぁ、ベジータ…『この世界』ってどういう意味だ?」
「オレに聞くな!」
そう怒鳴った。
そしてトレーニングを続けた。
オラは気になってそれどころじゃねぇんだけんど…。
なんでこんなに気になんだ?







ーーーー
「すっかり孫くんに気に入られたわね?華月」
ブルマは笑ってそう言った。
私は首をすくめた。
そして膝を抱えた。
(気に入られたってゆうのとは違うと思うけど…)
そう思っていた。


そしてクッキーを食べていた。
「このままこの世界にいるのもいいかな…」
「そうしなさいよ!ここに住んでもいいから!」
ブルマは嬉しそうだった。
そして私に顔を近づけた。
私は驚いた。
「そんなに顔を近づけなくても…」


私はそう言った。
ブルマは椅子に座った。
「だって私も嬉しいのよ」
「私『も』?」
「トランクスが華月を気に入ってるのよ」
そう言った。
その時トランクスと悟天が走ってきた。


そして二人が私の膝に座った。
二人は私を見上げた。
「ねぇお姉ちゃん遊ぼうよ!」
「遊んで、遊んで?」
「いいけど何して遊ぶ?」
そう聞いた。
二人は悩んでいた。


そしてニコッと笑った。
「「組み手♪」」
「無理!」
(しかも組み手って…それは遊びじゃないし…)
ブルマはため息をついた。
「華月はそんなこと出来ないんだから普通の遊びにしなさい?」


そう言ってくれた。
私はとりあえず二人と庭に来た。
(サイヤ人二人と普通の遊びって何がいいかな?)
そう考えていた。
「じゃあ…鬼ごっこしようか?」
「いいよ?」
「お姉ちゃんが逃げていいよ?」


悟天はそう言った。
そしてトランクスと準備運動をしていた。
(これって…全力でやるつもりだよね…?)
私は身の危険を感じた。
「手ぇ抜いてね?私、普通の人間だから…あ、あと空を飛ぶのも禁止ね?超化も禁止だからね?」
「「はーい!」」


こうしてちょっと危険を感じる鬼ごっこが始まろうとしていた。
(だ…大丈夫かな?私…)

鬼ごっこを始めて数分…私は後悔した。
だって…走るスピードが速すぎなんだもん!
子供だからって思って考えが甘かった…。
小さくてもさすがサイヤ人…。
(た…体力に差がありすぎる…)
そう思った。
悟天とトランクスが追いかけてきた。


悟天は抱きついてこようとした。
それをなんとかかわした。
その時地面に大きな穴が開いた。
「捕まえたと思ったのに…」
「バカだなぁ悟天は」
トランクスはそう言った。
そして笑っていた。


私は穴を見て血の気が引いた。
(こんな抱きつきされたら死んでますから…)
その時後ろから抱き締められた。
ギュ…ッ。
「ここで何してんだ?華月」
「わわ…ご…悟空?///」
私は一気に心拍数が上がった。


そしてジタバタした。
「はなはな…///」
「あ、お父さん!」
「何をしているんだ、トランクス」
「お姉ちゃんと鬼ごっこして遊んでたんだ」
そう言った。
べジーたは私を見た。


私はそれどころじゃなかった。
「カカロット…」
「何だ?ベジータ」
「その女…茹でタコのようになってのびてるぞ」
ベジータはそう言った。
そして華月に指をさした。
悟空は慌てた。


「華月!でぇ丈夫か?」
悟空は家の中に入った。
ブルマは悟空を見た。
「華月に何したのよ!孫くん!」
「オラは別に何も…ただ後ろから抱き締めただけだぞ」
「それが原因ね…」
ブルマは呆れていた。


そして部屋に連れていった。
悟空はそばについていた。
そして華月の手を握った。
「華月の気が落ち着いてきたな」
「あんまりこの子に刺激を与えちゃダメよ?孫くん」
ブルマはそう言った。
そして部屋を出た。


悟空は頬を撫でた。
「何でオラこんなに華月が気になるんかな?」
ボソッと呟いた。
(こんなに胸が落ち着かねぇのは初めてだ…)
そう思っていた。
「お父さん…お姉ちゃん大丈夫?」
そう言ったのは悟天だった。


悟天は心配そうにしていた。
悟空は悟天の頭を撫でた。
「でぇ丈夫だから心配ぇねぇよ」
「うん…」
悟天は元気がなかった。
そして静かに部屋を出た。
私は目を覚ました。


そして起き上がった。
(抱き締められて嬉しいけどこんなのが毎日続いてたら心臓がいくつあってももたない…)
そう思っていた。
「この世界での生活になれるまで少し悟空と距離をおこう…」
そう決めた。

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