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青空の下を一緒に
真夜中の訪問者



悟空は私をおろした。
ビルス様はじっと私を見ていた。
(な…何だろう?)
私は不思議だった。
「君…名前は?」
「は、初めまして…華月です…」


私はビクビクしながら答えた。
ウィスさんは微笑んでいた。
ビルス様は悟空を見た。
「華月と悟空はどういう関係なんだ?」
「えっと…」
「華月はオラの大好きなやつで大事な恋人っちゅうやつだぞ」


悟空はそう言った。
そして後ろから抱き締めた。
私は照れて何も言えなかった。
(人前でそんなこと言われたら…恥ずかしいよ///)
「ほう…」
「仲がよろしいんですねぇ」


ウィスさんはそう言った。
悟空はニカッと笑った。
「オラと華月はいつも一緒でラブラブだぞ」
「ご、悟空…///」
私は困っていた。
ビルス様と目が合った。


「華月はこの宇宙の住人じゃないな?」
そう言われた。
私はビクッと体が強ばった。
悟空は驚いていた。
「ビルス様すげーな?何でわかったんだ?」
「予言魚さんが教えてくれたんですよ」


ウィスさんはそう言った。
ビルス様はウィスさんを睨んだ。
ウィスさんは私の頭を撫でた。
「まぁ、今日はご挨拶だけにしておきます」
そう言った。
『今日は』という言葉に何かを感じた。


「ふぁぁ…ウィス帰るぞ」
「はいはい、それではまたお会いしましょう華月さん」
「またな、悟空、華月」
そう言った。
そしてあっという間に帰った。
ここに残ったんだからビルス様達ともいつか会うと思ってた。


(もしかしてビルス様にも『元の世界に帰れ!』って言われちゃうのかな…)
そう思うだけで不安だった。
私は悟空に強く抱きついた。
ギュ…。
「華月?どうしたんだ?」
悟空は抱き締めてくれた。


悟空の顔を見上げた。
「私は悟空の側を離れないから…だから…悟空も私を離さないで…お願い…」
「オラが華月を離すはずねぇだろ?守るって約束したじゃねぇか」
そう言ってくれた。
そしてニッと笑った。
私はもう一度悟空の胸に顔を埋めた。


「またお邪魔してすみませんねぇ」
「きゃ!」
「わっ、ウ、ウィスさんまた戻ってきたんか?」
私は悟空から離れた。
ウィスさんは笑っていた。
ビルス様は私の手を掴んだ。


そして悟空と距離を開けた。
「ビルス様、華月に何すんだよ?」
「何もしないから安心しろ!ちょっと話があるだけだ!」
ビルス様はそう言った。
悟空はムスッとしていた。
それをウィスさんが宥めていた。


「お前…ここでの全てのことを知ってるな?」
「それは…」
私は返事に困った。
過去の出来事など全てを知ってる。
悟空や皆には黙ってることがたくさんある。
ビルス様は小さくため息をついた。


私はビクビクしていた。
「悟空達にその事を話してはいないだろうな?」
「…話せません…きっと皆が混乱すると思いますから…」
私はそう言った。
ビルス様はホッとしていた。
少し重い空気が流れた。


「ここにいたいならその記憶を消す必要があるぞ」
「記憶を…消す?」
キョトンとしながらビルス様を見ていた。
ビルス様は私に指をさした。
私は指先を見た。
「お前のその記憶をそのままにしておくことはできない」


そう言われた。
私はビルス様の手を握った。
ビルス様は驚いた顔をした。
「記憶を消してくださいビルス様!お願いします!」
「わ…わかった、明日の朝に迎えに来るから待ってるんだぞ?」
「はい!」


記憶を消すことでここにいられるなら。
私に迷いはなかった。
「ウィス、今度こそ帰るぞ」
「お話はまとまったようですね」
「ビルス様と何を話してたんだ?華月」
悟空は心配そうに私に駆け寄った。


「私の中にある記憶がいつか悟空達を困らせることになるかもしれなくて…そうならない為にビルス様に記憶を消してもらうの」
「それって華月に変な影響とかねぇんか?でぇ丈夫なんか?」
「心配ありませんよ悟空さん」
「まぁ、暫くは会えないだけだ」
ビルス様はそう言った。


悟空はもう反対した。
私は悟空をなんとか説得した。
ビルス様達は帰っていった。
不思議と怖いことはなかった。
「華月が決めたんならオラはもう反対はしねぇ」
「ありがとう悟空」


部屋に戻り悟空の腕に包まれ眠った。

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