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青空の下を一緒に
ターレスの告白と初対面



ブルマの家に来るしか出来なかった。
私には他に行く所がないから…。
ベジータは呆れた顔をしていた。
私は小さくなった。
「カカロットの所に戻らんのか」
「戻らないって言うか…戻れないって言うか…」
そう言った。


ベジータは私を睨んだ。
私は怯んだ。
(うぅぅ…怖い…怖いよー…)
そう思っていた。
そしてターレスを見た。
隣でバーダックといがみ合っていた。
「カカロットに連絡しろよ!」
「断る!」


ターレスはそう言った。
バーダックはキレていた。
ブルマは私を見た。
「孫くんとチチさんとのことを聞いたの?」
「う…うん…」
ブルマは黙った。
そして頭を撫でた。


私は涙が出た。
ポタ…ッ。
「華月…」
「あ…ごめん…泣くつもりないのに…」
そう言った。
そして涙を拭いた。
でも涙が止まらなかった。


(泣いても仕方ないのに…)
そう思った。
その時抱き締められた。
ギュ…ッ。
顔をあげるとターレスが抱き締めていた。
私は言葉が出なかった。
「泣くの我慢すんじゃねぇよ」


そう言った。
「別に我慢してる訳じゃ…」
「いいからこっち来い」
そう言われた。
私はベランダに連れてこられた。
そして涙を拭いた。
ターレスは黙っていた。


その時頭を撫でられた。
「私…子供じゃ…」
「強がったり泣いたり…忙しい女だな」
そう言われた。
私はキョトンとした。
ターレスは少ししゃがんだ。
そしてじっと見つめられた。


「な…何…?///」
「すぐ赤くなるよな?」
「私で遊ばないで…」
そう言った。
そして背を向けた。
その時抱き締められた。
私は驚いた。


心臓が飛び出しそうだった。
(悟空以外の人にこうされるなんて…///)
ドキドキしてちょっとパニックだった。
そして慌てて離れた。
「私で遊ば…」
「オレはお前が好きだ」
そう言われた。


私はさらに驚いた。
頭が混乱した。
そして言葉が出なかった。
(ターレスが…私を好きって…///)
ターレスの顔が見れなかった。
そしてうつむいていた。
「華月」


呼ばれても返事をしなかった。
ターレスは私の顎をあげた。
そして顔を近づけた。
「カカロットのことなんか忘れさせてやる…だからオレを選べよ」
「選べって…そんな…」
「オレはお前以外の女になんか興味ねぇから安心しな」


そう言った。
私は動けなかった。
ターレスにキスされた。
突然すぎて何が起こったのかわからなかった。
ターレスは小さく笑った。
「返事は今すぐじゃなくていい…待ってる」
そう言った。


私はキスされた唇を触った。
(どうしよう…悟空以外の人とキス…しちゃった…///)

ブルマに用意された部屋は前に私が使っていた部屋だった。
ベッドに座り悩んでいた。
(ターレスの告白…キス…悟空には言えない…)
そう思った。
頭の中は悟空のことばかりだった。
今ごろ何をしてるだろうとか考えていた。
「悟空達のことを考えたらこのまま離れていた方が…いいのかもしれない…」


『お前が好きだ』
突然ターレスの言葉が頭に響いた。
私はブンブンと頭を振った。
(ターレスには悪いけど今は考えられない…)
ベッドに倒れた。
「チチさんはきっと悟空とよりを戻したいよね…悟飯と悟天のために…その方がいいんだもん…」


布団の中で声を殺して泣いた。
(悟飯と悟天から…お母さんを奪うなんて出来ないよ…)
悟空とチチさんのことが気になっていた。
眠れそうになかった。
でも目を閉じ眠る努力をした。







ーーーーーーー
結局一睡もできなかった。
目を閉じても悟空のことが気になっていた。
鏡を見ると目が腫れてクマが出来ていた。
(こんな顔じゃブルマが心配するよね…)
体がだるく感じた。
そのままベッドに倒れてしまった。


ブルマはリビングのテーブルに朝食を置いた。
「華月はまだ寝てるのかしら?」
「カカロットと色々あって疲れてるんじゃねぇか?」
バーダックはそう言った。
お手伝いロボットは残りの料理を運んできた。
(ちいと様子でも見てくっか)
ターレスはリビングを出た。


そして華月の部屋に入った。
ベッドで眠る華月を見た。
華月はぐっすりと眠っていた。
「無防備な寝顔しやがって…」
ベッドに座り髪を撫でた。
寝不足のため起きなかった。
ターレスは頬にキスした。


「お姫様朝だぜ?」
「ん…悟空…」
そう言った。
ターレスは言葉が出なかった。
そして頬を撫でた。
(夢の中にまでカカロットが出てくるんだな…)
そう思っていた。


「今だけでいい…お前の王子でいさせてくれ…華月」
そう呟いた。
そしてそばにいた。
しばらくすると目を覚ました。
「ふぁ…いつの間にか寝ちゃった…」
目を擦り起き上がろうとした。
ベッドにターレスがいた。


ビックリして飛び起きた。
「きゃ…タ…ターレスがなんで…うわっ!」
「危ねぇ!」
ベッドから落ちそうになった。
ターレスは腕を引いた。
私はそのままターレスの胸におさまった。
「落ちなくてよかったぜ」


そう言った。
ターレスは私を抱き締めていた。
ドキドキが止まらなかった。
「落ちそうになるほどビックリすることねぇだろ」
「起きたらいるんだもんビックリするよ///」
そう言った。
ターレスは私を離した。


「ブルマが朝飯用意して待ってるぜ」
そう言った。
そして先にリビングへ行った。
着替えて急いでリビングへ行った。
そしてご飯を食べた。
その時足音が聞こえた。
「誰かしら?」


私は振り返った。
手に持っていたカップを落とした。
ガシャーン…ッ。
「華月!」
「大丈夫か?」
バーダックはそう言った。
私は驚きが隠せなかった。


リビングに入ってきたのは悟空の奥さん…。
チチさんだった。

ターレスとバーダックはリビングを出ていった。
ブルマは私とチチさんにお茶を持ってきた。
チチさんは私をじっと見ていた。
私は黙っていた。
(ど…どうしよう…こんなふうにチチさんと会うなんて思ってもみなかったから…)
チチさんはお茶を飲んだ。


私はうつむいていた。
テーブルの下で握った手が震えていた。
「急にどうしたの?チチさん」
「華月さんっちゅう娘に会いに来ただよ」
そう言った。
私はビックリした。
そしてチチさんを見た。


「私が華月…です…」
「あんたが悟空さの言ってた華月さんだか」
また私をじっと見た。
私は怖くて仕方なかった。
(知らなかったとは言えまだ結婚してる悟空と少しの間あの家で一緒に住んでたんだから…文句を言われても…)
そう考えていた。


「あの悟空さがオラに熱心にしかも真剣に話してくれただ…悟天の面倒を見てくれたこと、悟飯の手伝いをしてくれたこと…そして華月さんが好きだってこともな」
そう言った。
私は目を合わせられなかった。
(悟空が…そんなこと言ってたんだ…どうしようすごく嬉しい…)
私はやっぱり悟空が好きだってすごくわかった。


チチさんは私の手を握った。
ギュ…ッ。
私はビクッとした。
「あ…あの…」
「オラは悟空さと離婚するって話し合って決めただ…華月さん、あんな修行ばかりの悟空さだけど悟飯ちゃん共々よろしく頼むだ」


そう言われた。
私は胸が痛かった。
本当にこれでよかったのか…間違ってなかったのか…。
答えなんてわからない。
こんな決断をさせてしまって申し訳なさが胸を締め付ける。
「ごめんなさい…私のせいで…」
涙が止まらなかった。


チチさんは笑っていた。
そして涙を拭いてくれた。
「悟空さを好きになる気持ちオラにはよくわかるだ」
「よかったじゃないの華月」
ブルマはそう言った。
私は言葉が出なかった。
チチさんはそれだけ言って帰った。


リビングにバーダックとターレスが来た。
ブルマはニコニコしていた。
私は泣きすぎて目が赤くなっていた。
「カカロットの嫁は帰ったのか」
「殴られたりしなかったか?華月」
ターレスは心配してくれていた。
私はただうなずいた。


「孫くんとチチさんは離婚するって」
「そうか」
「よかったな…って言うべきだよな」
ターレスはそう言った。
そして何も言わなかった。
私はターレスの手を掴んだ。
「ごめんなさい…ほんとにごめんなさい…」


何度も謝った。
ターレスは黙っていた。
そして頭を撫でられた。
ポンポン…ッ。
「謝るなよ、元々お前はカカロットに惚れてるのを知ってて気持ちを伝えたんだ…また問題があったらオレに相談しに来いよ」
「ターレス…」


バーダックは私の顔を見た。
そして頬に触れた。
「オレだって相談にのってやるよ」
「バーダック…」
「それにお前に惚れてるのはターレスだけじゃねぇからな」
そう言った。
そして頬にキスされた。


私はドキッとした。
そして真っ赤になった。
その時瞬間移動独特の音が聞こえた。
シュン…ッ。
「ごく…」
名前を言い終わる前に抱き締められた。
ギュ…ッ。


「会いたかった…華月!」
そう言った。
やっぱり悟空の腕の中が安心できた。
また涙が出た。
「悟空…悟空ぅ…ひっく…えぐ…」
「顔見せてくれ華月」
そう言った。


私は悟空を見上げた。
悟空は微笑んでいた。
「泣かせて悪ぃ…もう絶対ぇ華月を泣かさねぇ、約束すっからオラ!」
そう言ってくれた。
その言葉だけで十分だった。

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