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青空の下を一緒に
初めてのキスと…



今日は私が料理を作ることにした。
…と言ってもパオズ山の自然食材は私には難易度が高い。
ブルマから普通の食材を大量に分けてもらったのでそれを使っての料理。
エプロンをして悟空達を見た。
「じゃあ、悟空達はリビングで待っててね?」
「でぇ丈夫か?華月、無理して怪我でもしたら…」


悟空は心配してくれていた。
それは悟飯も同じだった。
悟天は私のそばに来た。
「華月お姉ちゃん気をつけてね?」
「手伝うことがあったら声をかけてくださいね?」
「皆ありがとう」
そう言った。


そしてキッチンへ戻った。
(さてと…作りますか!)
悟空達はサイヤ人だからたくさん食べる。
学校の調理実習で習った料理を作っていった。
なんとか料理を完成させた。
テーブルに並べると皆は驚いていた。
悟空はヨダレを出していた。


悟天は目がキラキラしていた。
私はエプロンを取り椅子に座った。
「もう食っていいか?華月」
「僕ももう食べたい!」
「美味しそうですね」
「もちろん、一緒に食べよう?」
そう言った。


悟空達はいっせいに食べだした。
(いつ見てもすごい食べっぷり…)
悟空達の頬はリスのように膨らんでいた。
そして笑顔になった。
「うめぇ!」
「美味しいよ華月お姉ちゃん」
「本当に美味しいです華月さん」


そう言ってくれた。
私は嬉しかった。
学校で習った調理実習が役に立った。
お皿に盛った料理は綺麗になくなった。
悟飯はお皿を下げるのを手伝ってくれた。
「ありがとう悟飯もう大丈夫だから」
「そうですか?」


私は笑ってうなずいた。
そしてリビングに戻った。
「兄ちゃん一緒にお風呂に入ろう?」
「そうだな、お父さん、華月さん先に入ってきますね」
「おう行ってこい」
「しっかり暖まってね」
そう言った。


悟飯は悟天とお風呂へ行った。
洗い物が終わりリビングへ行こうと振り返った。
後ろに悟空がいた。
「わっ、悟空…」
「終わったんか?」
「終わったけど…どうしたの?」
そう聞いた。


悟空はニカッと笑った。
そして手を掴みソファーに座った。
私は悟空の足の間に座らされた。
そして悟空に抱き締められた。
ギュ…ッ。
「これじゃあ動けないよ…///」
「ずっと悟飯達がいたからこうできなくてずっと我慢してたんだぞ?オラ…」


そう言った。
たまに悟空は子供のようになる。
こうして抱き締められることにも慣れてきた。
「悟空って二人になるとすぐこうしてくるね」
「オラがこうして抱き締めるのは嫌なんか?華月」
「嫌じゃないよ///」
そう言った。


(いつも悟空に抱き締められてる…たまには…)
私は悟空に体を向けた。
そしてソファーに膝をつけた。
大きな体の悟空を抱き締めた。
ギュ…ッ。
悟空は驚いていた。
「華月…?」


「いつも私だけが悟空に抱き締められてるでしょ?私も悟空を抱き締めたいと思ったから…」
そう言った。
悟空からいい香りがした。
耳が赤くなっていた。
「サンキュー華月///」
「私こそいつもありがとう悟空」


そう言った。
そして悟空を見た。
悟空は照れたように笑っていた。
そんな悟空が可愛いと思った。
悟空は私の頬を両手で包んだ。
ドキッとした。
「キスしてぇ…」


そう言った。
胸がドキンとなった。
悟空の顔が直視できなかった。
うつむき黙った。
(こう言う時は…何て返事をしたらいんだろう…///)
そう思っていた。
胸のドキドキがすごくうるさいくらいに感じた。


「華月…やっぱまだダ…」
「えっと…い…いい…よ///」
そう答えた。
そして悟空を見た。
悟空の顔が近づいてきた。
自然と目を閉じた。
悟空とキスした。


苦しくなってきた。
悟空はキスをやめた。
私はちょっと恥ずかしかった。
「初めて…キスした…///」
「オラが…初めてなんか?」
「そうだよ?///」
そう答えお互いに照れていた。

今日は朝から私の膝に座っている悟天。
可愛くてついつい抱き締めたくなる。
悟天は私を見上げた。
「ねぇ華月お姉ちゃん」
「ん?何?悟天」
「クッキーって作れる?」
そう聞かれた。


(突然どうしたんだろう?)
私は不思議だった。
「作れるけど…食べたいの?悟天」
「うん!食べたい!」
そう言った。
私は悟天をおろした。
「わかった!作るからちょっと待っててね」


悟天は膝からおりた。
そして喜んでいた。
私はキッチンでクッキーを作っていた。
(こうしてクッキーを作るなんて久し振りかも)
そう思っていた。
生地が完成すると悟天が走ってきた。
「もう出来た?華月お姉ちゃん!」


悟天は完成が待ちきれないようだった。
「これから形を作って焼いたら出来上がりだよ?」
「楽しみだなぁ」
そう言った。
私はウサギや犬などの形を作った。
オーブンに入れて時間をセットした。
リビングに悟天がいなかった。


窓を開け外を見た。
悟空と悟天は組手をしていた。
(やっぱり悟空の息子だね)
そう思っていた。
そして外に出た。
悟空は私を見た。
「華月も一緒にやらねぇか?」


そう言った。
私はビックリした。
そして両手と首を振った。
「む…無理だって!そんな組手なんか私にはできないから…」
(悟空と組手とか修行とかしたら間違いなく死んじゃう!)
そう思っていた。
そして血の気が引いた。


悟天は鼻をクンクンさせた。
そしてパァッと笑った。
「いい匂いがする!」
「え…あ、クッキーが焼き上がった匂いだね」
悟天は家の中に入った。
悟空も入ろうとした。
足を止め振り返った。


私はキョトンとした。
「華月」
悟空は手をのばした。
手を繋ぎ中に入った。
キッチンのオーブンを開けると綺麗に焼けていた。
「うわぁー!」
「うまそうだなぁ!」


二人は目をキラキラさせていた。
私は二人にクッキーを渡した。
悟天は喜んでいた。
「ん…うめぇ!」
「トランクス君にもあげていい?華月お姉ちゃん」
「もちろんいいよ」
袋にたくさんいれ悟天に渡した。


悟天はクッキーを持って飛んでいった。
悟空はバクバクと食べていた。
「そんなに詰め込んで食べると喉に詰まっちゃうよ?」
「んっ…すげーうめぇんだもん!」
そう言った。
そしてたくさん焼いたクッキーを全部食べた。
悟空はお腹を撫でていた。


「食った、食った…」
「全部食べちゃった…もう悟空ったら」
「いやぁ…悪ぃ悪ぃついうまかったからよ…」
そう言った。
(悟飯の分はまたあとで作っておこう)
そう思っていた。
そしてお皿を片付けようと持った。


「チチはこういうの作らなかったからなぁ」
そう言った。
私はピクッと反応した。
初めて悟空の口からその人の名前が出た。
好きな人から自分以外の名前が出るのって胸が痛む…。
でも…避けることはできない…。
ずっと考えないようにしてた存在…。


私は悟空を見た。
(このままじゃいけない…聞かなきゃ…)
そう決めた。
「悟空にずっと聞きたいことがあったんだけど…いい?」
「ん?何だ?」
私はじっと悟空を見た。
「…チチさんとはどうなってるの…?」


そう聞いた。
手の震えが止まらなかった。
リビングになんとも言えない空気が流れていた。

『チチさんとはどうなってるの…?』
ずっと言葉にできなかった。
私がこの世界に来てから1度も彼女のことを見ていない。
名前すら聞いていない。
だから…怖いけど聞いてみた。
「ど…どうって?」
「悟空はチチさんと結婚してるでしょ?どうしてこの家に彼女がいないの?」


そう言った。
悟空は黙った。
そして後頭部を掻いた。
「何て言えばいいんだ?…めぇったなぁ…」
「誤魔化さないで…悟空の言葉で話して」
そう言った。
悟空は困っていた。


(答えてくれないの…?)
少し悲しかった。
悟空から離れようとした。
悟空は腕を掴んだ。
「華月、待てって」
「誤魔化すくらいならもういいよ」
「急に何でそんなこと…」


悟空はそう言った。
(悟空にしてみたら些細なことかもしれない…でも…)
「そんなことじゃないよ…大事なことだよ?悟空がチチさんとまだ夫婦でいるなら私は…ここにいちゃいけないもの」
そう言った。
悟空は手を放した。
「オラが嫌ぇになったんか?」


そう言った。
「そんなわけないよ…悟空のことは大好き!」
「ならここにいれば…」
「そんな簡単に言わないで!チチさんと終わってないなら…ここにいることができないよ…」
「オラ…チチとはまだ別居っちゅうやつで…」
そう言った。


悟空とチチさんはまだ夫婦…。
私はここにいちゃいけない…。
そう思った。
そして家を出ることを決めた。
扉を開け外に出た。
「華月どこに行くんだ?」
「ごめん…今は悟空と…一緒にいられない…」


そう言った。
そして空を飛んで悟空の家を出ていった。
スピードをあげて飛ぶのは今の私には体力が削られる。
どこをどう飛んだのかわからなかった。
そして山におりた。
トン…ッ。
(覚悟して聞いたことだったけど…ショックだなぁ…)


膝を抱え顔を埋めた。
「ふぇ…ひっく…」
泣くことしかできない…。
泣いて何かが変わるわけじゃないのに…。
(これからどうしよう…どうしたら…)
何も考えがまとまらなかった。
行く所もないのに…。


「グルルル…」
何かの鳴き声が聞こえた。
振り返るとそこにいたのはサーベルタイガーだった。
お腹がすいてるのか目が血走っていた。
頭の中では『逃げなきゃ』と思っているのに体が動かない。
じりじりと距離を縮めてきた。
(どうしよう…足が…動かない…)


サーベルタイガーが飛びかかってきた。
「きゃぁーー!!」
悲鳴をあげた。
体に痛みはなかった。
目を開けると私の前にターレスが立っていた。
そしてサーベルタイガーを殴った。
サーベルタイガーは逃げていった。


ターレスは私を見た。
私は力が抜け座り込んだ。
「大丈夫か?」
「怖かった…ありがとう助けてくれて…」
そう言った。
両手の震えが止まらなかった。
ターレスは頭を撫でた。


「もう安心しろ」
そう言った。
私はフニャッと笑った。
震えが止まってきた。
「こんなとこで何してんだ?カカロットのとこまで…」
「私…帰れない…」
そう言った。


ターレスは黙っていた。
私はそれ以上言わなかった。
(カカロットと何かあったんだな?)
「オレでよければ言ってみろよ華月」
そう言ってくれた。
私は全てを話した。
ターレスは黙っていた。


私もそれ以上は何も言わなかった。
「ブルマの家に行くぞ」
「え…で…でも…」
「こんなとこにお前をおいておけるわけねぇだろ!」
そう言った。
ターレスは私の手を掴んだ。
そしてブルマの家に向かった。


私は不安だった。
でも今は一人になりたいとただ思った。

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あきゅろす。
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