嵐のような
それは今から一時間程前の事。
朝の六時、まだ僕は眠りについていた。
それはもうぐっすりと。
そんな時、部屋にあいつが来たんだ。
企みをたてクスクスと黒い笑みを浮かべる悪魔が!
「おーい、てーるみちゃんっ!」
元気な少女の声。
僕はその声に危機感を覚え、一瞬にして目を覚ました。
「……うわっ!」
近っ!
距離近っ!
目の前にある大きな黒目がちの瞳。
少女は僕と目があうと、にこーっと笑みを浮かべた。
「おはよっ! 朝から美少女中学生の顔が見れた感想はどう? ね、ね、ムラムラする?」
この無駄にテンションが高い少女。
これでも一応、一週間前に引っ越してきた転校生だ。
「……それはない。僕は僕以上に美しい者にしか欲情しないからね」
「えー。それじゃあ照美ちゃん一生どーてi」
「下ネタはよくないと思うよ」
すかさず爆弾を阻止した僕を褒めてほしい。
というか、馴れ馴れしいにも程がある。
あまり親しくした覚えはないのに、この少女……橘(タチバナ)は、転校初日から毎日僕にべったりなのだ。
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