GIRLs@研究所
序
春の陽気がぽかぽかと暖かい4月。
私はその天気に不似合いな真っ黒の服を着て、一人歩き。
泣きじゃくっていた弟妹がやっと眠りについたのを見計らって、私は家を出たのです。
紺柳学園の前まで来たとき、ひらひらと淡い花弁が高い高いコンクリートの壁の向こうから、やって来ました。
私は腫れた目をこすり、それに魅せられたように、学園内にもぐりこみました。
★★★★★★★★
「あなた、どうしたの?」
振り向けば、薄蒼の髪をサラサラと靡かせ、キョトンとしている生徒の方が。
胸には桃色の紙の花。
その日紺柳学園中等部は入学式でした。
新入生だったあの方は、あの時確かに、優しく呟いたのです。
図書室の裏に咲く、ひとりぼっちの桜の木を見て。
「自分に似ている」
…………と。
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