GIRLs@研究所
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………放課後………
「まだ頭痛いんだけどぉ…」
「大丈夫か?」
古都は頭を抑えながら立ち上がった。
きっと今朝同時にぶつかった電信柱様の怨霊が痛みを増幅させて(略)
「どれ。」
私は古都の抑えている部分を撫でる。
「あ」
「何…?」
「たんこぶ」
グイッ
「Σいったーーい!!!」
たんこぶを押してやると、古都は思いのほか飛び上がった。
「伽衣…」
李来は私に呆れながら古都を心配している。
「何すんのよバカぁ!!」
「ハハハ、ごめんごめん。じゃ、あたし委員会あるから。」
「運動会のか」
「そうそう、今日からじわじわとやってくみたい」
私は二人に別れを告げ、鞄を取って教室を出た。
★★★★★★★
あのお方が入っていらしたのは、気配で直ぐに分かりました。
部活動などで、1、2年の集まりが悪い中、三年生で、最後に姿を表したのは彼女、《水城伽衣》様でございます…。
「どうもすみません、遅れました」
水城様は軽く一礼し、指定された席に座られました。
「いいえ、良いのよ。そんなに待っていないわ。」
そしてあの方が三年総委員長で、紺柳学園中等部生徒会長の任にもついてらっしゃる、《関野 由香里》様。
それからすぐに、三年生の方々は、会議を始められました…。
「神沢さん、二年生みんな集まったわ。」
急に声を掛けられて、私は我に返りました。
「あ…そうですか、そ、それでは始めましょう。」
二年生の総委員長である私は、皆様に号令をかけ、会議を始めました…。
★★★★★★
ふぅ…終了終了っと。
私はかけていた眼鏡をはずしてケースにしまう。
真面目人間の中に入るときは、自分もそうならなくちゃいけない。
何度行っても慣れないし、肩は凝るし…。
「水城さん、会議お疲れ様ですわぁ。あの…ご住所は木庭都(コバト)町でしたわよねぇ?」
「あ、うん、そうだけど…」
この人は関野 由香里。生徒会長ってやつである。
気難しい性格で自他ともに厳しく冷たいため、学園内では“氷姫(コオリヒメ)”と呼ばれて恐れられている。
「わたくしは林仙町ですの…あの…それで…よろしければですけれど…。帰り、ご一緒致しませんこと?」
そんな由香里さんに誘われ、少し戸惑う私。
「あの…実は私、今から図書室へ寄ろうと思ってるんだよねぇ…。だからすぐには帰れないから…その…また今度ってことで!」
私はそう言って足早に会議室を出た。
「あ、伽衣さんっ」
由香里さんはいつも、「ここはどこぞのお嬢様学校かいっ!!」て感じの口調で話す。
聞いているとゆるやかで心地良いけど、私は使いたくないですわね。(笑)
それにしてもなんでいっつも由香里さんって私に絡みたがるのかな…。
私3年では他の委員やりたかったのに、由香里さんの推薦で結局またクラス委員になっちゃったし。
まぁどうせ多数決で私になったんだろうけど…。
そうこうしながら、私は図書室の前まで来た。
その時。
「おい…神沢ぁ!!お前…放課後に此所来いっつったの忘れてたのかァ?ア?」
もんの凄い怒鳴り声が、図書室の裏から聞こえてきた。
神沢って……まさか…。
私は上履きのまま、急いで声のした方へ向かった。
「で、ででででも……委員会がありまして……」
「言い訳かコラァ!!」
ドンッ
女の子が不良に突き飛ばされ、壁にドンッと体をぶつけた。
ありゃやっぱり桜ちゃんだ…!!
桜ちゃんの顔は痛みからか恐怖からか、目には涙が。
「おいおい聞いてんのか……よっ!?」
やばいっ!!
「ちょっと!!…あたしの後輩に手ぇ出すの、やめてくんない?」
「……Σ!?」
不良が手を振り上げて桜ちゃんに振り下ろす直前、なんとか不良の動きを止められた。
急いで桜ちゃんに駆け寄り、腕で庇うようにして不良と桜ちゃんの間に立つ。
「み、水城伽衣……;」
「あらよくご存知で」
「くそっ」
それだけ言って、数名の不良は立ち去った。
「おーい……大丈夫?」
私はボーっとしたままの桜ちゃんの前で、手を振った。
「あ…!!は、はいっ!!大丈夫です………///」
顔が真っ赤。
「怖かったでしょう…よく頑張ったね。」
私は今にも泣き出しそうな桜ちゃんの頭を撫でた。
古都の「痛いっ!」って言う声が聞こえた。
あぁ、たんこぶの……。
「………ああああの…」
「クスクス……」
顔を真っ赤にして俯く桜ちゃんが可愛いくて、自然と笑いが。
「たっ……大変ご迷惑をお掛けしました……」
「ううん、桜ちゃんは、なーんにも悪くないでしょ?」
やっと緊張がほぐれたみたい、桜ちゃんははにかんで目に溜まった涙を拭った。
「一人で帰れる……?」
「えっ?あ、はい…」
「んじゃあ…私は図書室寄らなきゃだから……もう行くね?」
「ぁ、あの……」
私がその場を去ろうとすると、桜ちゃんが弱々しく言った。
私は振り返って桜ちゃんを見る。
桜ちゃんは鞄から本を取り出し、おずおずと私に見せた。
「私も……ご一緒してよろしいでしょうか…?」
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