雲珠桜は夏に彩る
Cielo 07
「(ここに居るんだけどな…………)…………ねえ、ユカ」
「え…………うん?」
私は頭を抱え込んだままツナの方を見る。
ツナは嬉しそうな…………でも、複雑に感情が入り交じった瞳でこちらを見た。
…………私、いつから『ユカ』って呼ばれるようになったんだろう?
「本当に…………ユカなんだね」
「へ?何を今更…………」
「ユカ」
一瞬ツナが見せた顔は物凄く辛そうな、顔だった。
「ツナ……?」
次の瞬間。
私は優しい香りに包まれて…………目を見開いた時には目の前にツナの肩が見えた。
私の腰にはツナの大きな手があって、体ごと引き寄せられた。
「!?」
「…………ごめん、暫くこうさせて…………」
「…………う、うん…」
私は一瞬顔が染まりかけたが、ツナの何かを堪えているようなその声が、私をすぐに引き戻した。
今の私には、何がツナをそこまでさせているのか分からなかったけど、触れただけで壊れていきそうな肩を見て、そっとツナの背中を叩いた。すると私を抱き締める強さは一瞬増して…………そして離れていった。
勝手に…………消えないで
私の耳に…………小さくはっきりと聞こえた。それを聞いて私はハッと身を強張らせる。
……聞いてはいけないものを聞いてしまったような気がした。
「………これじゃどっちが大人か分かんないね。ごめんな」
「ううん…………大丈夫?」
「ああ」
そう言ってツナは笑った。
その笑い方は最初に見たような面影の重なる笑い方じゃなくて…………この十年の月日を思わせる笑い方だった。
ねえ、私が今聞いた言葉は…………私に向けてなの?
私、消えたの?
十年後…………私の居場所は…………。
…………ない?
*あとがき*
皆様、遅くなりましたが明けましておめでとうございます!今年も『雲珠桜は夏に彩る』をよろしくお願いします!
さて。本編はここまで来ました。
十年後ツナは前からずっと出そう出そうと…………いやー、未来編なら十年後メンバーは外せないでしょう(笑)
これからも十年後メンバーは大暴れしてくれる予定です。そして未来編の進行がどんどん遅くなる…………と(  ̄▽ ̄)
今年はもうひとつ連載を始めてしまったので行き先が不安です。どうなることやら…………。
あ、よろしければ新連載『coming-out! 』スクアーロ逆トリの話なんですけど、機会あれば見てやってください!(更新は恐らく亀よりのろま)
(27/5/6.訂正)
*レビュー返し*
ネーヴェファルファッラ様!(*^^*)
レビューありがとうございます!そして初めまして(*^^*)
『ファン』と言っていただき本当に嬉しいです!ありがとうございます!
これからも頑張っていこうと思いますのでどうぞ、よろしくお願いします(*´∇`*)
空様!(*^^*)
明けましてありがとうございます!
私も今年も雲雀さんが大好きです(笑)
今年も頑張っていこうと思います。
楽しんでもらえたら嬉しいです(*^^*)
シルバー様!(*^^*)
明けましておめでとうございます!
今年もなんとか頑張って更新して、おもしろいと言っていただけるよう頑張っていこうと思います(*^^*)
これからの展開は色々とハチャメチャになってしまう気もしますが;;
よかったら楽しんでください!(  ̄▽ ̄)
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