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雲珠桜は夏に彩る
埋れていた、事実21




容赦も、手加減も、情けも油断もない世界。

きっとこのうちどれかを裂いてしまえば己に傷を、または死をもたらす事になってしまうような、そんな世界。

血は飛び散り汗が飛び散り。弱音を吐く物が最初にやられる。弱肉強食とはまさにこの事で、いつも自分の持てる限りの力を出しつくす。………まさに戦場とは、そう言う所ではないだろうか?


戦いと言うのは何十歩でも先を読み、より有利な状態で戦うのがやり手の戦いかた。勿論勢いも大切だが、それのみで戦う奴は余程の物でないと、いつかはやられる。





「………でしたかね。真六弔花、桔梗」


「っ、ハハン。十も二十も先をよむ者が勝つ。ただそれだけです」


「ほう。ならばこの幻覚を読めなかった時点で、貴方はそのセオリーから外れているようですね」


「ほざきなさい」





自分の匣兵器であるはずのヴェロキラプトルが雲雀達の顔になったかと思えば、次々と自分たちに襲いかかる、殺気の元をたどれば現れる霧。………そう、まさに今ここは戦場の地へと化していた。





「師匠、イタイですー。やめてくださーい」


「クフフ………雲雀恭弥がこんな所にいるとは、今日一番の驚きですかね。ユカの傍についてあげなくてよかったのですか?大事なんでしょう」


「あ、ミーの言う事は無視ですかー」


「君にいわれる筋合いはないよ。………それにもう、記憶も戻ったしね」


「!!……ほう、それは良かった」


「つーか俺と会った時は既に戻ってたし。記憶」





俺の勝ち―、と横目にほくそ笑んだベルに、雲雀は鋭い視線をやる。
昔から、と言ったら今は語弊が出てくるが、この二人が相いれることはないようだ。そこにユカが原因に挙げられるのは、きっと否めない。





「ふん、やっと戻ったか」


「ユカ姐さん記憶戻ったんですかー………って、ミー記憶無くした事も知らなかったんですけど。何これ、ジゴホーコクって奴ですか?イジメですか―?」


「おや、なぜお前なんかに言わなくてはならないのです」


「うわー、師匠の代わりに様子見に言ってあげたの、ミーですよー。それに嫉妬心醜いです。あの人鳥頭のカノジョさんですからー」


「誰が嫉妬心ですか」


「………いい加減、君も煩いよカエル頭。誰が鳥頭だ」


「ゲロッ」


「(なんなんだ、こいつら…)」





敵を前にそんな会話を繰り広げるボンゴレ一向。だが、敵である桔梗の耳には対しては入っていなかった。むしろ、歯軋りを鳴らした。
………ここまであのユカが、好意を持たれているとは思わなかった。
確かにボンゴレボスである沢田綱吉を含む中学生集団に好意を向けられていても何ら不思議ではない、とは思う。けして本人は忌み嫌われるような性格をしてはいないみたいだし、あのボンゴレボスの性格ならば友達だからと必死になって救うだろう。そんな姿が簡単に目に浮かぶし、実際にそんな姿も見た。

………だが、ここにいるメンバーはそうだろうか?独立暗殺部隊であるヴァリア―の面々に認識を持たれているだけでなく、そこそこ深い所にユカの存在が根ざしていそうだ。あんなにマフィアを忌み嫌っていると言う六道骸とも関係が浅いわけではないらしい。
取り扱いに厄介なユニも連れて帰らなければいけないし、これはどうしてなかなか厄介そうだと歯軋りを鳴らした。





「………どうです、ザクロ。時間は稼げましたか」


「ああ………今のかったりー会話の内に、左腕は完治したぜ!」


「それは良かった。では、早速やりましょう。………少々面倒な状況になってきている」





桔梗は傍で左腕を完治する事に専念していたザクロに声をかけた。懸念していた事がかなり心の中で占めていたのか、自分が思ったより低い声が出てきてしまう。ザクロはそんな自分の様子を何と勘違いしたのか、高を括るかのように声をあげて笑った。





「何焦ってんだ、桔梗。折角のチャンスを逃したのは、バカな会話を繰り広げて俺の左腕を完治させた、あのバカ共だ!!」


「カッチーン。そんな言い方されると頭に来るんですけど。………ってか大体バカはおめ―だ。『待ってて』やったんだっつーの」


「!」


「ボスか完全なお前たちをかっ消したいのだ!!!」


「………相変わらずですね、ザンザス」


「さあ、さっさと始めよう。待ちくたびれたよ」


「はーい、本番行きまーす」





準備が整った。誰が何を言わずとも、すぐにでも戦いはじめることは明瞭で。桔梗は何故か、大きなため息をひとつ、ついた。





「…ここがミルフィオーレとボンゴレ、総力決戦の場となりそうですね」


「ここを制した側が、勝つでしょう」





その言葉は、その場の男たちの闘志を奮い立たせるのには十分の威力を持っていた。

………今、この総力決戦の場となるこの場所で大きな地鳴りが響いた。










×あとがき×

大変長らくお久しぶりです、皆様。あひるでございますm(_ _)m
いやはや、このあとがきを書くのはいつぶりでしょうか?考えてみればまだ受験勉強やってる時なんですよね。うわー、受験が遠い昔のようだ←
trovatoreの方でも報告させていただきましたが、一応こちらでも。大学進学出来ることになりました。浪人無しですー。
多分私は大学でも小説を書き続けることでしょう(笑)

…しかーし!
大学受験の期間、しばらく書いてなかったせいか、小説の書き方を忘れてしまったようで~_~;
ONE PIECE短編などで調節しながら書いて、最近やっと戻ってきたかなー?という感じです、はい。更新速度遅くてすみませんでした。暫くは雲珠桜シリーズつきっきりで頑張ろうと思います!

あ、あとシモン編を番外編に更新しました!少し前の話ですが。良かったら覗いてやってください。だけど質は保証できませぬ←
いかにも続きそうな終わり方なのですが続きません。はい。番外編のあとがきでもダラダラと語ってるので、そこは読み飛ばしてもらっても(笑)

最後に私、Twitterをやっと始めまして。
@5746Enteで出てきます。
最近は黒バスばっか語っているのですが、勿論リボーンでも熱く語れます。マンガの好きなキャラ沢山いるけど、雲雀さんとか別格ですからね。殿堂入りしてますからね(笑)
良かったら絡んでやってください。私福岡出身なんで、時々博多弁出るかもですが、大目に見てくれるとありがたいです(笑)
駄絵とかたまに載せてますー。
その時小説見たと言ってくれると見分けついてありがたいです^_^


レビュー返しは次のページに。




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あきゅろす。
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