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雲珠桜は夏に彩る
埋れていた、事実02








「ユカ。お前は賢い。だから大抵の事は自分で判断し、そして他人に頼らず一人で解決できる。………きっとお前の事だ。何が困ったことが出てもまず、他人を頼らず自分一人でどうにかならないか考え抜く、今までそうやって生きてきたんだろ?」


「え…」


「それが悪りぃとは言わねえ。他人任せで気楽に生きている奴よりそう言う奴の方が、世の中をしぶとく生きていけるからな。………けどな。そんなのいつまでも続かねえんだ。そう言う奴の周りは大抵、いつも自分を頼ってくれることを待ってくれてんだ。特に、お前みたいな歳は頼ってなんぼだぞ」


「リボーン」


「…………けど、ツナ達に未来の事は言うな」





急にリボーンは表情を引き締めた。リボーンは、私の目をしっかりと見ていた。
…………これは本気だ。
こんな状況で本気も何もないかもしれないが、厳粛な態度がそれを一層強調させた。





「今、あいつらを混乱させる事はしたくねえ」


「う、うん…………」


「俺も聞きはしねぇ。でも……帰れると、思っても良いんだよな」





…………その時だけ、リボーンは私から目を逸らした。
一瞬意味を考えて私は返事をすべきか考えあぐねた。これを答えるのはある意味未来を教える事。つまり、この世界の行方も言うようなものだ。そう考えてどうするべきか、とリボーンの方を見ると、どうも返答を望んでいる風には見えない。ただの独り言をして取っても良いのだろうか。

ユカはそのままリボーンと一緒に黙り込んだ。リボーンも何も言わなかった。


その後、私はリボーンと一緒に再び皆の所へ出て行って、リボーンに話した事と同じように話した。結局結論の事は交えずに、皆はいつしかの如く、ごめんと頭を下げる私を笑い飛ばす形で許してくれた。



*****



戦闘前の静けさ…………今、まさにその状態に陥っていた。いつも騒がしいランボも何かを感じ取るように口を閉ざしている。
それは、ユニの逃げないという言葉からだった。





「…………夜明けとともに始まる戦いで、すべてが終わります」


「最後の戦い?」


「はい。白蘭も焦っています。この戦いに全てを駆けてきます」


「その予知は…………確かなんだろうな」


こくり。ユニは真剣な眼差しをそのままに、首を縦に振った。白蘭が焦っている理由は先ほど聞いたが、やはり改めて聞くとぞっと首筋に悪寒が走る。
人は焦ると思考が回らなくなる。…………ガムシャラになって、考える事をやめた人間ほど、何をするか分かった物ではない。特にビャクランは尚更だ。追いつめられた人間は恐ろしい。




「勝敗は…………予知できないのかい?」




正一が少しでも希望を手探りとせるようにと言葉を紡ぐ。私はその言葉が自分に向けられているような気がして、思わずどきりとした。この未来編までもが物語になっていたと告げていないので、堪らなくなってリボーンの方を見るが、彼は平然としている。…………それは気にするなと言う意味なのだろうか?
ユニの言葉はそんな私達に関係なく続いていった。





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あきゅろす。
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