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雲珠桜は夏に彩る
無慈悲な再会13







そんな自分らしくない事を考えている時だった。地面に足をおろし、ユニもそっと降ろしてやった。ちょっとの時間が惜しくて急いでユカ達が居る元に駆け寄ろうとした時…………怪我を負ったはずである野猿の、怒声がけたたましく響いた。





「どういう事だよ、ユカ!!?………っお前らのせいか!?お前らが守ってやらなかったからだろ!!」


「落ち着け!野猿」


「これが落ち着いていられっか!こんな…………折角無事帰ったのに記憶がねえなんて、そんなのねえよ!何やってんだよっ」


「!?…………おい、」


「ユカ!!あんなに帰りたがってたじゃねえか!」


「っ野猿………!!」


「はひっ………!?だ、だめです、それ以上動いちゃ!!」





ユニがγの横から離れ、野猿の方へと駆け寄る。野猿の脇からは………今、叫んだせいで傷口が開いたのか、血が惜しみなく出てきていた。それと同時に野猿は、力抜ける様に手の力を緩める。もう野猿の手を振りほどけるはずのユカは、自分のシャツを握ったまま唇から血の気を引かせてただ立っていた。





「………おい、野猿。今なんて」


「!?てめえっ………γ!」


「おい、小僧…………ユカは、記憶喪失なのか?」


「っ………てめえらには関係ねえ!!」


「っ、なんてこった………!」





キオクソウシツ。
γは獄寺の力の無き叱咤にも目もくれず、ただユカの顔を見た。かつての敵にさえ、目をくれてやる余裕なんてない。
そんな。あの後…………白蘭があいつの記憶を奪っていったと言うのか。

白蘭。お前は何処まで人を馬鹿にすれば苦しめれば気が済むんだ。





「!…………そうだ、奴は?」


「奴?」


「雲雀恭弥、こいつの男だ!まさかあれからユカとまだ会ってないって事は…………つうかなんで、自分の女がこんな事になっている時に奴は側に居ねぇ!!」


「ひ、雲雀さんなら並中に出かけていますけど………」


「並中!?」





信じられない。こんなときにユカの傍を離れているのか、奴は!
あんなにもユカは雲雀恭弥との再会を待ち望んでいたと言うのに。奴はそうではなかったとでもいうのだろうか?こんなときに並中とやらの風紀が大事なのだろうか?奴にとってユカとは、その程度の存在だったのだろうか………?

あまりの衝撃にγは言葉を見つけられずにいると、横から先ほど降りてきたリボーンが話しかけてきた。





「雲雀は………ユカの意思で並中に行ったんだぞ」


「………は?」


「奴は最後まで、ユカの傍に残ると主張していた………」




ざわざわ………。




「………ちっ、人が集まってきたな」




爆発音が聞こえたせいか、段々辺りに何処からか足音が響いていた。一つが二つ。二つが三つと話し声も合わせて響いてくる。ついには、パトカ―のサイレンの
音まで近付いてきた。




「場所を移動するしかねえな」




リボーンのその言葉に異を唱える者は誰もいなかった。あったとしても飲み込んだ。…………ここで駄弁っているような暇はない。誰もがそのことを理解していた。

γは言いたい事や訪ねたい事も積もるほどあったが、ココで警察とやらに出くわすのも都合が悪い。先程喉の入り口の近くにまで出てきていたが、堪え飲み込んだ。





「…………」

「…………ユカ?いくぞ」


「え………あ、ああうん。ごめん」


ずっと固まって空を見つめていたユカを促し、誰からともなく歩き出す。




この時、ユカの微妙な変化に気付く者は誰もいなかった。












×あとがき×

めっちゃ久しぶりです、あとがき。
ども、夏バテ気味のあひるです。
最近の気温と日差し、マジでパネェ。

最近は(良くて)二週間に一度更新のペース………こんなに放置するとはいやはや。受験生って嫌ですね。長時間座りっぱなしで足を吊りかけるって、受験生にあるあるですよね。………え、うそ?そんなの無い?
夏休みが実質一週間しかないのが辛いっ。あと、何なんだ勉強マラソンて!おい、学校?!
………あとがき書くたび久しぶりですって言って、何かツッコミたくなります。自分で。


今回は野猿たちの登場!ここのシーンはとっても書いてて楽しかったです笑
もう完全に野猿なんてヒロインに懐いてます。最初の投げやり感は何処。笑

γは………ヒロインに会えて嬉しいんですけど、白蘭の所でヒロインを助けることができなかった事をずっと悔やんでました。
自分で書いておきながら、ヒロインにちょっとデレてるγがいい笑
うちのγさんはデレが貴重です!


(レビュー返し遅くなってすいません。時期が空いたので多少会話にズレがあるとは思いますが、そこら辺は多めに見てやってください…)





×レビュー返し×


空様!(*^^*)

レビューありがとうございます!

野猿が思った以上に嘆いてくれました!私もビックリです!←笑
そして記憶奪還までの道程はまだ遠し…(°_°)
ここまできたら行く所まで逝っちゃいます!←

サマーバケーションなう!
でもどうやら私は夏休みを満喫する前に、夏バテと課外と濃いお付き合いになりそうです。はは!
空さんも夏バテにはお気をつけて。お互いに頑張りましょう!




珠音様!(*^^*)

初めまして!レビューありがとうございます!

狂ってる白蘭…(笑)
はい、確かにうちの白蘭は狂ってんです!白蘭ファンの皆さんごめんなさい…(ーー;)
「悪役、悪役…」って思ってるうちに段々とね。私の中の悪役はどうやら皆さん狂ってるらしい…のかな?(笑)
でも一応、純粋な白蘭クンも頭の中では居るはずなんです←

これからも狂ってる白蘭をお楽しみ下さいませ(笑)←おい




イルカ様!(*^^*)

レビューありがとうございます!

なんかやっとここまで来ました。ここまで来たらあとは最終決戦だ!←
でもそれが一番長い…笑

同じ高校生ですか!仲間ですね!←何の
えっと、テストは…もう終わってますね、はい。頑張ってくださいと伝える筈だったのに!返事が遅すぎだ、私!(ーー;)

更新は頑張ります!出来るだけ!
イルカさんもどうかこの夏休みを楽しんで下さい!夏バテには要注意を!笑




HIKARU様!(*^^*)

レビューありがとうございます!

雲雀さんとの恋愛ごとにキュンキュン!本当ですか?!ちゃんと私、そんな要素入れてますか?!←笑
いやー、時々「この小説、本当に恋愛物なのか?」と思うほど恋愛要素薄いと思ってたんで、嬉しいです。特に最近みたいにアクションやらシリアスとか書いてると余計に、ね。
だからたまに出てくる雲雀さんのデレが半端ないのかも…笑

初代守護者ですか…。
いやー、私原作重視で一応やってるんでなかなか出番の無い人たちですね(ーー;) 私的に結構Gとか好きなんですけどね笑
やるなら番外編かなー、と笑

えー、続きも頑張ります!




ぶっきー様!(*^^*)

レビューありがとうございます!

あー、雲雀さんはある意味爆弾抱え込んじゃってんです。普段甘々な雰囲気が少ない分、いざという時に爆発( ̄◇ ̄)
雲雀さんは勢いを大切にしているんです笑

ヴァリアーなんて原作でも笑いの要素たっぷりですからね!彼らは ここではギャグにヴァリアークオリティを使ってくれる様です笑
また、あのメンバー出したいなぁ…。

これからも更新は地道にやっていくと思いますので、その時はぜひ、いらして下さい(*^^*)




出雲様!(*^^*)

初レビュー、頂いちゃいましたー!!ありがとうございます!

うわー!!そう言ってもらえると本当に嬉しいです!ありがとうございます!

弥風さんはねー、迷ったんですけどね。でも一緒に連れて行ったところで弥風さん、ずっと泣き通しで行きそうだったんで、やめちゃいました(ーー;)
弥風さんは私の姉貴にしたい人です笑
雲雀さん!きっと、きっとこれから出番が出てくるはず!そこでいちゃついてもらいたいです笑

更新は亀の様にのろまですが、たまに見にきてやってください(*^^*)




菜乃様!(*^^*)

レビュー、ありがとうございます!

そう言っていただいて、本当に嬉しいです!本当の意味で好き勝手書いていた「春に出逢う」とまた違い、「夏に彩る」は原作沿いと言う事で、皆さんのイメージとかが崩されてないか結構心配で(ーー;)
本当にホッとしました(^^)

ベル!何故か雲雀さんと恋?のライバル的位置に居るあの王子!いつの間にかそんな位置をぶんどっていたベル!
実はベルも早く出したい人の一人です(笑)その次はザンザスかなー。
出来るだけ頑張ります←何を

受験頑張ります!色々とありがとうございます(*^^*)




桜猫様!(*^^*)

レビューありがとうごさいます!
ええ、いろんな意味で充実した夏休みです!うん、いろんな意味で……そうか、今って夏休みなんだ。(つまり私も勉強漬けです(笑))

ヒロインは記憶を無くしてから気弱な性格になってます………健気!そうか、そんな言い方もあるんだ(笑)良い発見です(*^^*)←
ずっと記憶無くしてからのヒロインは女々しいなーと思ってたので。いや、女ですけど。
何故かヒロインの扱い雑い(笑)

γ達もどんどん活躍して欲しいんです!でもぶっちゃけ…ここが最大の見せ場かな(笑)
野猿はきっと後でこっそり太猿に励ましてもらうことでしょう(笑)




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