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雲珠桜は夏に彩る
覚悟05








「にしても今、何が起こったんだ?刃物も持たずにこんなに綺麗にザックリ……」




ディーノは首をかしげながらこっちを向く。




「私はただ、ボンゴレリングを触ろうとしただけで……」




……むしろ何があったなんて、こっちが聞きたいわ。




私はただリングを借りようと手を伸ばしただけ。それなのにリングから何か閃光が走って……気付いていたら雲雀さんは無傷で私は思いっきり指が切れていた。



……まるでリングに拒絶されたかのような。



きっとロマーリオさんが適切な処理をしてくれなかったら私はきっと、切れた指を暫く眺めていただけだったと思う。痛かったけど……それ以上に頭がついていかなくて…………。






「…………まるで、リングが拒絶反応を起こしたみたいだったな」


「ロマーリオ」


「だって恭弥の奴は、ユカが怪我したっていうのに掠り傷一つ付いていないんだぜ?そう思わねーか?」


「リングに拒絶…………」


「だが今までそんな事が起こった事例なんて、なかったはずだ。俺もならなかったし………なんでユカなんだ?」


「さあ?」






二人首を傾げた。雲雀は自分の掌にあるボンゴレリングを不思議そうに見つめていた。
私は私で、綺麗に包帯で巻かれた指を見ながら、何処か既視感を覚えていた。





なんかこんな事、前にもあったような…………?










「ああ、あれか…………」


「ユカ?」


「あ、なんでもないです」






思い出した。
そう…………まだ、こっちに来て間もない頃。私はリボーンに液状化された死ぬ気弾を一度打たれた。その時も確か、私の体には拒否反応が起こったはずだ。
今回のことと何か関係することでもあるのだろうか?






でも、そう考える横で…………ユカはこんなことが起こった原因が分かっていたような気がした。
ディーノさんたちと私の決定的な違い。それは…………














私はここの世界の住人じゃないってこと。





私は知らなかった。
この決定的な違いが後にあんな事を巻き起こす原因となるなんて…………。














雲雀さんが未来に行くまで…………あと5日。







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あきゅろす。
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