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雲珠桜は夏に彩る
自分と言う名の探し物03







皆がユカの反応を気にしている。でもユカの反応は、そんなツナ、いや、そこにいる皆の予想のはるか斜め上をいっていた。





「……分かった。ありがとう話してくれて」


「…………え、そんだけ!?って言うか普通に飲み込んじゃったの、こんなあり得ない話をっ!?」


「なわけないじゃん!!」


「うえっ!?」





あまりにも普通に、まるで誰かからの些細な伝言を受け取ったときのようなノリでお礼を言われたツナは、何故か自分の方が声をあげてしまった。話をしながらユカがどんな反応をするかと、ざっと二桁位まで考えていたのだが、ユカの反応はそのどれでもない。流石に、普通にお礼言われた後に逆上されるパターンは入れてなかった。





「正直、もう頭ん中ぐちゃぐちゃだし。パンクして破裂しそうだし。……とにかくそんな感じ」


「え?で、でも」


「それでもね。聞いてる内に分かってくることがあった」


「何か思い出した!?」


「ううん。それは残念ながら何も」





悲しそうに首を振るユカ。やはりダメだったかと、ちょっと落ち込むと同時に、逆に分かったことって何だろう?と首をかしげた。





「じゃあ分かったことって…………?」


「それは、」


「うん…………」


「いくらその話に突っ込んでも、無駄ってことよ!」




………皆が椅子から、転げ落ちる音がした。




「つ、突っ込む?」


「正直その話を鵜呑みにするのはちょっと無理そうだったから…………もう自分の話としてじゃなく他人事として聞いてたんだけど」


「他人事…………」


「だってそうじゃないと聞けないんだもん。…………でも何?そうしたらそうしたで今度は、未来の自分と交替する十年バズーカー?未来では白い人が世界を征服?ボックスへいき?最初は戸惑ってたけど………突っ込むところいっぱいじゃん!本でもそんなの無いよ?!」





ってかそれを平然と受け入れられる皆がわからない!

ユカは本当に混乱しているようで、少し視界を滲ませながら叫んだ。






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