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雲珠桜は夏に彩る
自分と言う名の探し物







ユカは疲れの溜まったその足で、ある人物の所に向かっていた。





「ツナく…………じゃなくて。ツナはどこにいるんだろう?」





そう、ツナの所だ。
あの後私は、京子ちゃん達に私の事について聞いてみた。そして今の、この状況の事も。
それを聞くと、私の関してのことは、日常の生活の様子などを聞かせてもらうことができたのだが、今私達が置かれている状況に関しては、「私達よりツナくんに聞いた方がいい」と言う助言を得たので、足はツナがいると言う食堂の方へ向いていた。
疲労は足に大分来ていたが、この際弱音など吐いていられない。ただ自分のことを少しでも知りたいと言う気持ちがただ私の足を突き動かしていた。





「あ、ユカちゃん。着替え終わったの?」


「あ、うん。…………あの」





次に見えた部屋の光を頼りに歩くと、そこにはビンゴ、ツナとリボーンの姿が見えた。隣りには残りのメンバーがゆるりと寛いでいる。あの戦闘の後なので、疲れもたまっているのだろう。少なからず傷を負っている人で治療を受けている人もいた。
そんな光景に目をとられながらもユカは自分の目的であるツナの所へ向かった。




「!…………どうか、した?」




今、聞いていいものだろうか。そう考えて口をモゾモゾとさせていると何かが通じたのか、ツナは私に問いてきた。
この子はきっと、直感が優れているんだ。
心配そうにこちらを見る目に喉にブレーキがかかってしまって、余計言い出しずらくなった。





「えっと…………その、教えてほしいことがあって」


「何?」


「…………さっきの事」





意を決してそう言うと、ツナは直球に言われると想像していなかったのか驚いたように目を見開いた。





「あと、私の事」


「ユカちゃんの、こと」





きっとこの二つを聞けば、何も思い出せないなんて事は…………少しぐらいは、自分のことを思い出すはず。ユカはそう考えた。それにはさっきの事の状況も、欠かせない気がした。

…………全ては私が『私』になるため。
私が、『自分』を取り戻す、そのために。





「さ…………さっきの事って」


「白蘭とか言う白い人の事とか。何で私が狙われてるのか、とか」


「…………」





ツナは私の言葉に、困った様にリボーンを見た。小さく「ど、どうしよう…………」とリボーンに相談してるのも聞こえる。





「あの、」


「そ、外に居たとき!」


「!」





このままじゃ誤魔化されて終わるかも…………そんな不安に襲われたユカは声を張り上げた。ツナの肩がピクッと跳ね上がるのも感じた。周りの皆の意識だって、今のでこっちをむき出した。







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