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雲珠桜は夏に彩る
新たな問題…………?11









「ユカは一般人だ。戦うことは勿論できないし自分の身の守り方ですら分からねえ。……だがツナと関わってきたのは事実なんだ。ハルと京子がいなくなった以上、ユカも危ないと見ていい」


「……」


「それにいくらお前が強いと言ってもまだ力不足だ。自分の身ですら危ないと思っておいた方が……」


「……なら、ユカをどうするつもり?」





雲雀はディーノさんを睨み付けるように見る。
当人である私は……どうすることもできなかった。口出しすることさえも。
この出来事の結末を知っているのに……力のない私はこんなふうに迷惑をかけることしかできない。それが胸に突き刺さった。




「だからユカはこの問題が片付くまでボンゴレ……いや、キャバッローネの監視下に置く。家もしばらくどっかのホテル借りて見張らせる」


「!?」


「ディ、ディーノさん。別にそこまでしなくてもいいんじゃ……」


「何かあってからじゃ遅いんだ。……勿論学校はいつも通りに通わせるつもりだし、出来るだけ不自由はさせないつもりだ」





そう言われて私は押し黙るしかなかった。
……それほどまでにディーノの目は真剣だった。





「それにこれは九代目の意思でもある」


「九代目の……?」


「ああ。……まあぶっちゃけ妙齢の男女が同じ屋根の下ってところが気に入らなかったんだろうけどな」


「んな……」





そりゃまたハッキリと。
まあ私達が気にしてないにしろ、あの世代の大人から見たら……やっぱり気になるのだろうか?
気にしてない…………と言うのもどうかと思うが、これで実情生活がちゃんと成り立っているのだから問題ないと、私は思っている。
ただ、世間体があるのも理解してるつもりだから、この事は公にだってしていない。





「ユカ嬢。この提案はユカ嬢にとってもいい話だと思うぜ?少なくともホテルに移れば今みたいに家事なんかしなくていいわけだしな」



「はあ……」






ロマーリオさんも一緒に口添える。






どうしよう……。




この話は私を持ってくれるために持ち出してくれたもの。そう簡単に無下にできない。
選択肢は二つ。ここを出るか出ないか。安全をとるか雲雀……この家を取るか。つまりはそう言うことだ。
確かに家事をしなくていいというのは引かれる。私だって人間だ。面倒事は少ないに限る。それに……テニスの練習と両立できるかも分かんなかったから。

でも、正直この家は住み心地はいいと思う……家事のこととかを含めても。
何より、この家には雲雀さんが居てくれる。
こっちに来て一人頼る宛もない私を住まわせてくれた雲雀さん。お陰で……寂しいとか思うことはなかった。この家のどこかに雲雀さんがいるって分かってたから、安心することができた。……私が居なくなったりしたときも、顔には出さなかったけど心配してくれた。それが何より嬉しくて……家事も雲雀さんの役に立ってるなら。そう考えるだけでちょっとだけ、ちょっとだけだけど楽しく感じた。




……おお。結構私の中、雲雀さんで一杯だな。




心の中でこそっと笑った。
いつか別れは来るのに。そうだってわかってるのに。……いつの間にか、雲雀さんは私の中で大きな存在になってたんだ。それはしょうがないかな。









「なあユカ、俺たちに任せてくんねえか?悪いようにはしねえから」


「ディーノさん……」




私はディーノさんの目を見る。本当に心配してくれている目。この目からディーノさんの気持ちがひしひしと伝わってくるようだ。
私は思わず身動いだ。




「あ……私は……」









何と答えればいい?





どれが正しい答え?





どれが一番迷惑をかけない選択肢か……。











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あきゅろす。
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