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雲珠桜は夏に彩る
今まで隠してきたこと02








「打倒白蘭!打倒真6弔花!」


「てめー、たったこんだけ理解すんのに五時間かけてんじゃねぇ!」


「何だと!?俺は二転三転する話は二転目までが限界なのだぁ!!」


「自慢することか!ッバーカ!!」








横でいつものごとく、罵り合いが始まる。別に今に限ったことではない。

獄寺が了平に事情を説明している間は、互いが互いを睨み合うように向かい合い、片方が常に眉間にシワを寄せ、片方が小さな声で唸りながら事の事情を理解しようとしていた。

喧嘩がいつ始まっても可笑しくない雰囲気の中で、実際に喧嘩が起こったのは五回ほど。この二人が喧嘩しないわけがないと、周りの者も、この喧嘩を止めようとはしなかった。

現に、山本やツナはお茶を啜っている。








「ユカちゃん達…………遅いね」


「まだ寝てんじゃね?」


「もしそうだったらいっぺんしめねえとな」


「いや、ユカちゃんが起きてたから大丈夫だと…………」


「朝からたるんどる!今度は俺が起こして…………!」


「お前は迷子になるのがオチだ、芝生頭!」








ここはボンゴレ日本基地内、食堂。
この時代では学校がないからと言って、だらしのない生活は許さないとどこぞの家庭教師が朝食の時間にはしっかり起きてくるようにと決まりを作った。なのでツナたちは、ユカ達が起きだす時間にはすでに朝食まで取り終っていた。

シンクの前で女達は力を合わせて食器を洗っている。和気あいあいと話しながら楽しそうに食器を片づけていく姿は、どこかしら微笑ましいものがある。

ツナたちと言えば、リボーンから「ユカから話したい事があるらしいからここに居ろ」と言われ一旦待機中。端の方では、大人フウ太がチビ共の遊び相手になっていて、その場の雰囲気を和ませているような五月蠅くしているような………。時たまランボの頭にリボーンが投げたものが100%の確率で当たっている。

突如、ドアの開く音がした。








「あ、ユカちゃ…………?!」


「遅れてごめんなさい!」


「…………あんなこと出来るのはきっとユカだけ、だな」








…………信じられないことに、たった今話題に上がっていたユカが、雲雀さんを引きずるようにしてドアの前に立っていた。

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