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雲珠桜は春に出逢う
晴れと兄とテストと06




「ふーん……はいこれ」



目の前の机にパサッ……と置かれる。





「何ですか?これ」

「テスト」






パサリと置かれたのは束になったテスト用紙だった。
ご丁寧に鉛筆と消ゴムまで置いてある。
どうやらこの学校は転校者の学力を見極めるため、こうしたテストが毎回行われているらしい。



「これ……量ありすぎじゃないですか?」




雲雀にテスト問題を指し示す。
軽く束になっているそれはやる気を失せされるには十分な量だった。




雲雀は用件だけ渡すと奥の部屋に行ってしまう。



おいてけぼりかよ!




断る事を諦め取り敢えずテストの一部を手に取り眺めてみる。
内容は中1の内容から高校の入試問題までと幅広い。




「雲雀さあーん!これ、高校の入試問題まであるんですけど。私一応中1設定何ですけど
!」




私は奥にいる雲雀さんに聞こえるように出来るだけ大きな声でいった。
返事はすぐには返ってこなかったが辛抱図よく待っていると雲雀は紅茶の入っているカップを二つ持ってやってきた。





「知らないよ。でも君、頭いいって職員室で
噂になっているじゃないか。」

「え?」

「知らないって顔だね」




雲雀は私の目の前にカップをおき、自分の席へと戻っていく。
私は小さくありがとうございます。とお礼を言った。




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