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雲珠桜は春に出逢う
リアル鬼ごっこ(いや、マジで)05







体を全てパイプに預けた途端起こった変化は………………




金具が外れる音だった。









「え………………………………うそ……」




額に汗が流れる。
全身が脳に危険信号を発した。




「や……」



パイプが……パイプが目の前で折れていく。
私の体もそれに逆らうことなく……地面に向かう。





「ぃやっ……「ユカっ?!!!捕まれって!」……!?」





落ちていくのを脳が認識するのと同時にベルが視界のなかに入ってきた。
ベルが窓の所で一生懸命手を……私の手を掴もうとしてくれている。






……はは、こうするとほんとに王子みたい。
白馬に乗った王子さまじゃなくて、ティアラをつけた王子さま。


でも、こう言うときぐらい目、見えたっていいんじゃない?まだ隠れちゃってるよ。



こんなときにそんなことが頭をよぎった。






そして私は捕まって殺されると言うことを考えずにベルの方に手を伸ばす。






ベルの手まであと、数cm……。















バキッ!







また別の金具が外れる音がする。
あと、数cmだった私とベルの手も更に距離が離れ、掴もうとしても手は空を切るだけだ。






「チッ」









ベルが舌打ちする音が最後に聞こえた音だった……。












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あきゅろす。
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