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雲珠桜は春に出逢う
並盛商店街07








「それにしても、この僕をストーカーと勘違いするとは…………」





心外です、とでも言いたげに顔をしかめる。
誰が見ても、今の状況を見れば皆が皆、ストーカー行為をしてると言うだろうが、残念ながらそれも突っ込めるものはいない。

惜しい。非常に惜しい。




「しばらく様子見でつけてみますか」




つっこめない事を悔やんでいるなんて彼は露知らず。勝手に様子見を決め込んだかと思うと、誰かに見せびらかすよう手を高く掲げ、指を鳴らした。

パチンッ…………。

その場にあった霧は自然と薄くなっていった……。

















「……!?」





ツナは肩をビクッと震わせた。





「ん?どうした、ツナ」


「どうかしましたか?十代目」


「…………」





二人の言葉をツナは無言で返す。
…………何か今、物凄く身に覚えのある気配を感じたような。


今の、骸……?




「骸……?」


「奴がきたんですか!?」





二人の目は厳しくなる。温厚であるはずの山本でさえ、眉間にシワを寄せた。それは、人一人殺せそうな勢いだ。
…………確かにそのはず、二人にとって骸はいい思い出なんかない。ツナにしてみれば、たったその感情だけで彼を計ることはできないのだが…………二人にとって骸とは、名前を聞くだけで身構えるほどなのだ。
特に獄寺は。





「わからない。でもなんか、嫌な予感がする……………」


「…………ユカのところに戻ってみっか」


「ああ…………もう終わってるだろーしな」


「何事もなければ良いけど…………」





ツナは眉間にシワを寄せた。
今、なにか問題が起きればきっとその矛先はユカに向くだろう。ユカに迷惑がかかるどころか怖い目に会わせることにもなりかねない……。

ユカは自分達がマフィアなんて事知らないのだ。
マフィアになることを認めてはいないとは言え、自分はマフィアとの関わりを持った。ただそれだけで、俺たちと関わりを持ったユカまで狙われる可能性も否定は出来ない……。
したがって、もしもの時一人で帰らす事も危険と言える。

三人は真剣な赴きでユカがいる店へと入っていった。





ユカは…………いた。

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