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雲珠桜は春に出逢う
なんとも言えない目覚め04








勿論私はみんなの後ろ(ツナの後ろ)からの挨拶。こんなときに先頭を突っ切って行くほど私は図太くない。



みんなはそれでも私の姿をとらえ、教室に静寂が降りてきた。




「あ、あれ?」




…もしかして忘れられてる?(笑)





(笑)をつけてみたが実際は笑えない冗談だ。



…あ、涙出てきそ。





だが、そんな空気を破って一人、こちらに駆けてくるものがいた。




「ユカちゃん!」


「わっ…京子ちゃん?」





ツナを押しどけて←京子ちゃんは私に抱きついて来た。
私は京子ちゃんを受け止めながらツナの方を見る。




……ちょっと涙目になってるよ、ツナ……;;;




しかし京子ちゃんは構わず私に抱きついたままだ。



「あの……京子ちゃん?」

「今まで学校に来ないでどうしてたの?先生はもうユカちゃんは来ないかもって言うし!」




ようやく顔を上げて私に向き合ったかと思うと、その顔には涙が浮かべられていた。




「ごめんね……京子ちゃん。私……」




私は言葉につまる。



……考えたら私、言い訳なにも考えてない。




京子ちゃんは今か今かと私の言葉を待っている。



「えっと……私……」




少しだけの間なら何とでも誤魔化せるのだが……。




……一ヶ月以上も学校にこれない理由って何があんのよ。







「ユカちゃん……?」


「あ……えっとね……そう!私ちょっと外国にいってたってゆうか!何かこう……ホームステイ的な?」



あははと笑う。



この言い訳、苦しいな……;;;







「え、じゃあユカちゃん留学してたの?」


「留学ってゆうか……」


「なんだあ。それならそうとキチンといってくれればいいのに」


「あんた頭よかったもんね」




京子ちゃんが胸をほっと下ろしているときに後ろからやって来たのは花。
こちらも心配しててくれたらしい。





「あはは……;;;」





……言い訳通じちゃったよ。




ちらっと事情を知っているツナの方を見れば、私と同じように苦笑いを浮かべている。




「あれ、ユカ外国にいってたのな?」



それならそうと教えてくれよと私の後ろを叩く山本。
どうやら山本まで信じてしまったらしい。
何処まで天然なんだ。





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