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雲珠桜は春に出逢う 素直な気持ち02 『迷惑？するに決まってるじゃないか』 「あ……」 血が引いていくような気がした。 やっぱり……そうだよね……。 「でも居ないともっと迷惑だ。いい加減に戻ってきなよ」 フイッ……と横を向く。 ……………………あれ？ 「雲雀さん……照れてる？」 「……咬み殺されたいの？」 雲雀の耳がちょっと赤い。 ……うわ、ヤバ。久し振りだから顔が……← 「（キッ）」 「あ、すいません、ごめんなさい」 相変わらずのノリで謝る私。 どんなに睨まれても『咬み殺す』って言われても、私は前と変わらないノリが心地よかった。（けしてM的な意味ではありません！） ああ……糸は繋がったよね？ 「じゃあ……私、またお世話になっても……」 にやけてしまう顔を隠しながら聞く。 「君もしつこいね……」 「え……すいません……？」 聞くまでもないと言うことだろうか。 「（ハア……） ………………………………ねえ、南国果実に何もされてないね？」 「？…骸のことですか？何かって……」 急に骸の話題を雲雀が振る。そんなことするんだ……と変に感心しながら私は雲雀が言っていたことを考える。 ……口の横にキス……？とか？ 「……何かあったの？」 「いえ、全然！そ、そう言えば骸が『ぐずぐずしてると直ぐに掌から落ちる』とかなんとか言ってた気がします！」 あったなんて言えない！しかもそれが口の横にキスとか！ 慌てて言い逃れる為に骸の言葉を口にした。雲雀宛名のか誰なのかはしらないが言っておいて損は無いだろう。 「……気に入らないな」 「え？」 雲雀はそう言って奥へ行ってしまう。 「雲雀さん、何が気に入らないんですか？」 「何でもないよ」 「教えてくださいよ」 「……………………ハンバーグ作ってくれたら考えてやっても良い」 「え、今からですか！？」 無茶ぶりを言う。 しかもこいつ、絶対に作ってもなにかと誤魔化すだろう。 ピンポーン……。 「へ？誰よこんなときに」 玄関の脇からインターホンが鳴る。 奥の雲雀さんをみれば無言で『出ろ』と言っていた。 ……雲雀さんに訪れる客とかいるんだね。 軽く失礼なことを思いながらドアノブを開ける……。 ［*前へ］［次へ#］  |