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雲珠桜は春に出逢う
胃に穴が開きそうです08







ディーノはがくりと項垂れた。










……やっぱりディーノさんじゃ駄目か……。







いよいよ私がどうにかするしかない。
しかしもうその場の雰囲気はあたしがどうこうできる隙はない。

忘れがちだが元々ビアンキは殺し屋なのだ。
素人の私に何か出来るハズがない。


そう考えると対等にビアンキと渡り合っている弥風さんも相当デキることになる。


ほんとに何者なんだ、弥風さんは。







「むう……;」




私は唸る。




どうやってこの雰囲気を壊すべきか……。









「……なあユカ嬢。ここは俺に任せてくんねーか?」


「え?でもロマーリオさん危ないですよ?」



この修羅の状況に名乗り出るロマーリオ。
いささか横顔が勇ましく見える。






「それをユカ嬢が俺にいっちゃあ駄目だろ(笑)」


「あ、そっか」





向こうもマフィアという危険と隣り合わせの職業。ただの小娘に心配されるほどやわではないはず。

勝手に私なら……と思っていた私は苦笑する。






「まあちっと荒療治かも知れねーが……この状況よりはましだろ。ボスの尻拭いもしなくちゃなんねーしな」




言うが早くロマーリオは二人の間に割ってはいった。





「おい」


「……なんなの、跳ね馬の部下。今取り込み中だっていってんじゃない」




ビアンキは今までに見たことの無いような不機嫌な顔つきでロマーリオを睨む。



……ワオ。一発即発って感じ;;



「喧嘩も良いけどよ、そろそろお互いケリつけてーんじゃねーのか?」





ロマーリオはこの雰囲気に似合わず優しい顔つきで子供をあやす父親のような雰囲気を出して話し掛ける。





するとどうだろう。


二人はたちまち殺気をおさえ出す。





「まあ……そうね。いつまでもこんなことやってられないわ」


「ユカともっと話したいしね」


「そうだろうな」





うんうんと頷くロマーリオ。

どうやらこの動作は癖みたいな物らしい。





……ってか弥風さんもそういう風に思ってんならすぐにやめてよ;;;








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