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雲珠桜は春に出逢う
胃に穴が開きそうです07







「ところでユカ。どうしたんだ?さっき慌ててただろ?」

「あ、忘れてた……;ディーノさん、ちょっと助けてください!」

「んん、なんだ?」



私はディーノの後ろに回り込むと、背中を押してあの二人がいるキッチンへと向かった。









「なんだこりゃ……;;;」

「わお……;;」






キッチンにはさっきとは違って更に二人とも敵意を増幅させて睨み合っていた。



「……取り敢えずもう私じゃ止められないんで後はどうにかしてください」


「……お……俺がか?」





途端にディーノが情けないような顔になる。





「何とかしてくださいよ。このままじゃ私、ストレスと怒りで胃に穴が開きそう」


ロマーリオさんもいるでしょ?と私はおなかを押さえる形をとる。



まあ正直に言うと切れそうな血管を押さえるのに胃にストレスを感じているのだが。





「お、おう。そこまでいうなら……!」


「……あーあ、ボスのやつ無茶しやがって……(ボソッ)」


「へ……?」






そういっている間にもディーノは何とかこの空気をどうにかしようと、二人の間に入り込んでいった。




「おいおい、お前らいい年してユカの前で喧嘩なんて恥ずかしくねーのか?ここは一旦落ち着いてだなあ……」



「そこのイケメンさんは黙ってて!」


「……ポイズンクッキング、溶解桜もちお供えバージョン!」



「ぶへっ……!」



「あらら……;;;」



ベショ……とディーノの顔に当たったのは大きめの桜餅……らしきもの。



しかもひとつではなく四つも五つも当たっていた。





「ロマーリオさんも居るのに……」


「ボスは昔っから女の喧嘩だけは苦手だからなあ;;」


「ハア……;あ、ロマーリオさんお茶飲みます?」


「おう、丁度喉乾いてたんだ」




私は戦場になりそうなところを避け、コップをとる。








「はい。麦茶で良かったですか?」


「ああ、グラッツェ」



ぐいっと煽る。






「ちょっ……オメーらそんなとこに突っ立ってねーで助けろよ」



ビアンキの毒をなんとか回避したディーノがいう。


「私、毒の耐性とか無いですもん。それにバッキャローネファミリーのボスがこんないたいけな少女の力なんて借りちゃうんですか?」



助けを求めた私が言うのもなんだが。





「そうだぞ、ボス」




うんうんと腕を組んで頷くロマーリオ。
私も真似してやってみる。




「お前らなあ……;;;」










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あきゅろす。
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