雲珠桜は春に出逢う
胃に穴が開きそうです01
バイトを早く切り上げ帰宅の路地を進むユカは自然と微笑んだ。
……こんな一日が続いたらいいなあ……。
私は足元のあった小石を蹴飛ばした。
「ただいまあ!」
「あら、ユカちゃんお帰りなさい♪」
キョロッ……。
「ここがユカの家出先ねえ……」
いい天気の今日と言う日に怪しげな影が1つ、ユカが入っていった沢田家を見ていた。
「一度あいさつにいかないとね……」
フフ……と微笑む。
顔は整っているようで笑う姿は様になっている。
背格好だけで見ると170cmを越えているだろう人物はワンポイントにかわいい花がなっている麦わら帽子にサングラスという恐らく女性の格好をしていた。
女性は一歩、また一歩と沢田家に足を進めた。
そして玄関の前に立つとインターホンに手を伸ばした……。
「はあ……疲れたー…」
「毎日よく頑張るわね、バイト」
コト…と目の前におかれる冷たい麦茶。
私は差し出した本人の方を向いた。
「ありがとうございます、ビアンキさん」
「良いのよ、これぐらい」
そういって微笑むビアンキさん。
……美人って良いなあ…。
「やっぱお金は貯めてた方が良いですもん……。いつまでもここにいるわけにもいかないし」
「あら。その台詞、お金が一番っていっていることのように聞こえるわね」
「一番とまではいかなくてもやっぱあった方がいいですからね」
「人間、愛さえあれば生きていけるものなのよ」
「あはは……;;」
もう向こうではビアンキがああ……リボーンはまだ帰ってこないのかしら?と嘆いている。
「ほんとビアンキさんってリボーンに溺愛なんだから;;」
正直どこがいいのかわからない私はその気持ちを理解してやることは難しかった。
顔だけは良いのだろうが。
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