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雲珠桜は春に出逢う
王道と邪道04







「うわっ…もう20分過ぎてるし!」





あれからユカは30分ほど寝ていた。時間は過ぎているが、その程度で済んだのはいい方だろう。
しかし、今降りていったときの雲雀の表情は…………けしていいものではないだろう。




「絶対カミコロサレル…!」




手ぐしで髪を整え急いで階段を降りていった。





「すいません、寝過ごしました!」


「…もう少し静かに階段を降りれないの?」





雲雀の目が怖い…!!(゜ロ゜ノ)ノ





「…すいません」


「…………まあいいや。それで明日からの事だけど、ユカは並盛中に通って貰うから」


「私一応高校生なんですけど」


「関係ないね」






いや、関係あるだろ。そんなにバッサリ言い切られても…


ピンポーン




「丁度良いね。早速来たみたいだ」





雲雀の目が出ろと言っている。
人使い荒いな。




「はーい、どちら様ですかー?」




扉を開けると目の前にはリーゼント頭があっ
た。




「あ、草壁さんだ…………」


「?!どうして私の名を…此処は雲雀の家ですよね?」




あ、ヤベ…つい言っちゃったよ。





「あーいや、名前は雲雀さんから聞いてたもので…あははー」


「ああ……」





その言葉に納得してくれたようだ。





「やあ、副委員長。例のものは持ってきてくれたかい?」


「雲雀さん!」





奥から雲雀がやってくる。
来るなら最初から自分でいけば良いのに。





「委員長!ご指名の通りの物を。…しかし女物の制服なんてどうするんです?この女は…」


「君に答える必要はない。それよりもう下がっていいよ」


「…はっ、失礼します!」





草壁さんはそそくさと出ていった。

草壁さんも律儀だねえ…。
しかし、私に制服なんて…。

もう決定事項なのね。




「それからユカはこれから毎日うちの家事をして貰うから」


「それって拒否権は…」


「ないね」




…まあ泊めてもらうんだから文句は言えないか。




「分かりました」


「料理出来るの?」


「人並みには。どっちかと言うとお菓子の方
が好きで作りますけどね」


「ふうん……期待しないでおくよ」


「そっちの方が良いですよ」





あ、そうこんな時間だ。
もう既に日は落ちて星が見栄隠れしている。




「……今日は時間もないんでチャーハンでもいいですか?」


「別に」


「じゃあ作ってきますね」





その夜の夕飯はごく普通の反応だった。
私がマヨネーズをかけたときは物凄く驚かれたけど。





「……なにかけてんの?」


「何って、マヨネーズですけど」


「……邪道」


「放っといてくださいっ、うちの家庭ではこれが普通だったんです!」


「……」


「何か?」


「別に」






どっちにしろ雲雀が残さず食べてくれたのは
とても嬉しかった。
















食後、風呂に入ろうとしたときに気付いた。




「私、下着の替えがない……!」




上はともかく下を続けて着るのは辛いものがある。



「はあ……しょうがないか」



寝巻きは雲雀さんの服を借りた。体格も似ているのでサイズも丁度よい。

……なんか得した気分。


その夜はぐっすり眠りにつくことができそうだ。



雲雀さんの夢を見たりして(笑)






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あきゅろす。
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