愛し君へ
6
チュンチュン
朝日と共に雀が元気に飛び回る。
「……」
外の眩しさにゆっくり目を覚ます桜。
高杉「よぉ、目覚めたか?」
隣には服を着て煙管を吸う高杉がいた。
「っ…」
高杉「ん?あぁ…昨日は久しぶりに桜を抱いたからな」
起き上がろうとした桜は、体の痛みにより再びぐったりと布団に倒れる。
「晋助のばか」
高杉「何とでも言えよ」
「……あほ」
高杉「……」
桜の言葉を気にせず煙管を吸う高杉。
「…はぁ」
高杉「どうした?」
「晋助が帰ってきたって事は、また殺らなきゃならないんでしょ」
高杉「フッ…そんな顔すんな」
不満そうに桜が口にすると、高杉は優しく頬に触れた。
「私、もう誰も傷つけたくな…」
高杉「…桜」
「?」
高杉「お前は俺のだ。俺の傍で俺の言うことだけ、聞いてりゃいいんだ」
すると、高杉が桜の言葉を無視して話はじめる。
桜はそれを聞き、目を反らした。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!