愛し君へ 1 「ん…」 桜が目を覚ますと、目の前には見知らぬ天井が見えた。 「!!?」 急いで起き上がり、辺りを見回すが誰もいない。 桜が一息つくと遠くから足音が聞こえた。 「……」 部屋の端に行き、腰に手を回すが自分の刀がないことに気がつく。 スッ ?「おや、目が覚めたのかい」 「!!」 すると、襖が空き一人の女性が入ってきた。 「ここは何処なの?それに、あなたは誰!?」 ?「あ?私はお登勢、ここは私の家だよ」 「お登勢?」 お登勢「あぁ。あんた、昨日路地裏で倒れてたんだよ?覚えてないのかい?」 動揺する桜に、お登勢はため息まじりに話す。 だが、桜は未だに警戒をとかないままだった。 「私の刀をどこにやったのよ」 お登勢「ん?あんた、女なのに刀なんか持ってたら危ない目にあうよ?」 「返して!!」 お登勢「……」 桜が怒鳴り付けると、お登勢は懐からタバコをだして火をつけた。 [次へ#] [戻る] |