しろの小説(短編) 【高銀】悪夢【攘夷】 「ハァッ、ハ…ァッ、ハッ、ハァ………」 「よォ、銀時ィ。長かった俺とお前の因縁…、ここでしまいとしようや…」 「高杉……テメェ!!」 「終わらせてやるよ。お前がずっと見続けてきた…長い悪夢もな」 「………」 「言っただろ?銀時ィ。俺はただ壊すだけだ……全てを!!」 「はァァァァァッ!!」 「うォォォォォッ!!」 ガキィィィィィンッ!! 「――…イ、……とき、銀時っ!!」 「…っ!!…はぁ、はっ…ぁ」 「どうした?大丈夫か?」 「ぁ…晋…助…?」 「ずいぶんうなされてたみてぇだが…」 「夢…」 「何があった?」 「………なんでもねぇよ。ただの…夢だ」 「……そうか」 「………」 「………?フッ、お前から抱きついてくるなんざめずらしいこともあるモンだな」 「うるせぇ……。しばらくこのままでいさせろ…」 「好きにしろ」 「高杉…」 「あ?なんだ?銀時」 「お前は…お前のままでいろよ。俺も…俺のままであり続けるからよ」 「クク、変なこと言い出すヤツだな。しばらく休め。ずっとついててやるからよ」 「ん……」 「銀時……」 「(なんだ…?心がざわつく…何か…嫌な予感がする…)」 この胸騒ぎが現実のものとならないように……。俺は心の中でそう願い、瞳を閉じた――。 [*back][next#] [戻る] |