光を求めて(土銀♀) 暗い暗い牢屋の中に、一筋の希望の様にその銀色は存在する。 カツカツと音を立てながら、土方はその不気味な牢屋の廊下を歩いていた。鉄格子からは、囚人達の射抜く視線が注がれるが、そんなものは気にしない。 重い、頑固そうな鉄のドアを開ければ、銀色の彼女が鎖に繋がれているのが見えた。 ゾクリとした。手に入れたくても、手に入れられずにいた気高い存在が今、目の前に鎖に繋がれている。 ああ、愛しい愛しい愛しい愛しい俺の銀色。 拷問でもされたのだろう。白く綺麗な肌に痛々しい、そして鮮やかな紅が刻まれていた。 そんな姿も、色めかしく土方の目には写った。 そっと頬に触れれば、ゆっくりと彼女の瞼が挙げられる。 紅い紅い瞳。誰にも屈しない魂が宿る瞳が自分を写す。 「気分はどうだぁ?天下の白夜叉さんよ。」 「そんな、心地よいもんじゃねぇよ。」 笑いながら聞いたら、笑いながら返された。 だが、二人とも目は笑ってはいなかった。 異様な空気がそこに渦巻く。 「はやく、高杉の居場所吐いちまいな。そうすれば、とっくに解放されるだろうが。それとも、何か?そんなに元恋人さんが大事か…?」 「てめぇ…」 銀色の彼女が自分を睨みつける。だが、拷問の疲れもあるのだろう。彼女の瞳はどこか苦しげだった。 そんな彼女を見て、土方は唇のはしをあげた。 「解放されたいなら、俺のもんになれよ。」 その言葉に、銀色の彼女…銀時は目を見開いた。 「どういう事だ?」 「そのまんまの意味だ。」 そっと銀時を押し倒す。 抵抗はしなかった。まぁ、鎖に繋がれているからかもしれないが、銀時は土方の瞳をじっと見つめていた。 「銀時…」 愛おしい名前を呼び、抱きしめキスをする。 「んっ、んぅ……ッぁ」 深く深く口づけをすれば、銀時は甘い声を漏らした。火照る肌にトロンとした瞳。初めて見る彼女の表情にドキンッと胸が高なった。 もっと、もっとだ。もっと彼女を感じたい。欲しい。手に入れたい。 甘いキスに酔わされ、土方の今まで必死に抑えてきた醜い欲望がボトボトと溢れ始める。 ダメだ。抑えきれない…ッ 土方は、素早く紅い美しい彩が滲んでいる白い帯に手をかける。 シュルシュルと音を立てて、帯は呆気なく解かれた。 帯をその辺に投げ捨て、銀時の身体に張り付いている着物を剥がす。 そこから、現れたのは白く輝く身体。所々に紅い傷が刻まれており、一つの芸術にも見えるほど美しい。 あぁ、美しい美しい銀色。 土方はねっとりとした視線で銀時の身体の隅々をみた。 そして、静かに土方は銀時の肌の傷に舌を這わせた。 そこの傷から滲む紅い液体を舐め上げる。 「ッ…ん…。」 痛かったのだろうか?銀時は顔を歪め、僅かに身体をよじった。 銀時の血は血特有の鉄臭い味ではなく、甘い甘い味がした。まるで美酒を飲んだ様な気持ちになる。 「美味いな…。」 土方が傷をさらにぴちゃぴちゃと舌で舐める。 「はっ、吸血鬼かてめぇは。」 そんな土方を見て銀時は鼻で笑った。余裕を見せようとする銀時だが、その身体は小さく震えていた。 [次へ#] |