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リクエスト文 
仮のデートにはご用心を(♀銀総受 ギャグ)
フリーでリクエストされたものです。








「銀時殿、今日は宜しくたのむ。」

「あ、いやいやこちらこそ。」




そう言って頭にほっかむりをかぶり、恭しく頭を下げた将軍。通称、将ちゃん。
町人を装った格好をしているが、
やはりその気品溢れるオーラはすべて隠せてはいなかった。

おいおい、大丈夫かよ。と顔をひきつらせながら銀時は将軍に言葉を返した。

今の銀時の姿はきちんと女物の着物を着ており、とても美しかった。
通りかかる全ての人が彼女に
目を奪われる。

将ちゃんも
例外ではなく、少し顔を赤らめた。

だが、そんなことに銀時が気づくこともなく、
周りからの視線に少しイライラしていた。

なんだよ、見世物じゃねぇんだ。
そんなに、俺の格好がおもしろいかよ。

将軍も、こんか俺と一緒にいるのが恥ずかしいのか顔赤くなってじゃねぇか。


なにこれ、いじめっ!?


と盛大な勘違いを起こしていた。

やっぱり、俺じゃない方がよかったんじゃえねぇの。
将軍と共に町を歩きだしながら銀時は頭を悩ました。

ことの発端は3日前。

依頼の来ない万事屋で、一人昼寝を決めこんでいた時だった。


「万事屋ー、邪魔するぞ。」

と言う声とともに入ってきたのは近藤とジミー。
何故か、珍しく二人とも小難しい顔をしていた。

「いきなり、何なんですか、このやろー。ここは動物園じゃねぇんだ。ゴリラなんてつれてこられても困るよ、ジミーくん。」

「いや、ゴリラじゃないですよ、姉御。局長が涙目になってるんで、普通に呼んであげてください。」

苦笑する山崎。
落ち込む近藤をしっかり、してください!局長!と励ましていた。

「局長がゴリラなのはいつものことじゃないですか!」

「いやいやいや!崎、お前が一番ひどいこと言ってるけどぉぉ!」

うぉぉっ!と叫ぶ近…ゴリラを横目で見ながらささっと茶をいれる銀時。

「ナレーターまでゴリラっていい始めたよ!!だめだ、この世の中は!ゴリラに優しくない!」

「いや、もうそれ。自分でゴリラって認めてんじゃん。」

軽口を叩きながら、二人に茶を差し出す。

「粗茶だけど、どーぞ。ほれ、ゴリ。餌だぞ。」

とバナナを差し出す銀時。
それに突っ込むのも疲れたのかゴリラは黙って受け取った。

銀時は片手に苺牛乳をもち、自分も固いソファーに腰を掛ける。

「で、何しに来たのお前ら。」

「何しに来たって…。そりゃ、姉御。万事屋なんですから依頼に決まってんじゃないですか。」

「え、それまじ?」


「まじですよ。」

お茶をずずっと飲みながら答える山崎。

「依頼内容は?変なやつだったら警察呼ぶかんな。」

「その警察が俺たちなんだが…。まぁ、いい。万事屋、依頼内容なんだがな。あるお人と一日デートをしてほしいんだ。」

素直に貰ったバナナをくちゃくちゃ食しながら説明をしだす近藤。

「は?デートぉぉっ!?」

と目を丸くし、大声をあげた銀時にそうですよ、姉御。と山崎が返した。

「あるお方がお忍びでデートやらをしたいとの事でして。その警備を任されたんですが、相手の女性も決まってなかったんで…俺たちが手配することになったんです。それで、姉御にやってもらえないかと。」

「何で俺なんだよ。他にいっぱいかわいい子いんじゃん。」

「可愛だけじゃ駄目なんですよ。俺たちが直接護衛出来ないんで、もしもの事があったとき、すぐ対処できないかもしれないでしょう?だから、いざと言うとき、近くに強い人がいないと。強くて、美人なんて姉御しかいないんですよ!頼みます!姉御!切腹なんて俺、いやです。」

土下座でもしそうないきよいで頭を下げる山崎。それを見て銀時は、こいつらも大変だよなぁ。と共感してやった。


「俺からも頼む。」

近藤もまるで捨てられたゴリラのような顔をして頭を下げた。

「ちょっとぉぉっ!!捨てられたゴリラって何ぃぃ!!犬にして!せめて、もう人間じゃなくていいから犬にして!お願いぃぃ!!」

「まぁ、落ち着けゴリ。」

と銀時が宥めた。ゴリラは涙目だ。

「もちろん報酬はたんまりだろうな?」

ニヤリと
笑いながら問いかけた銀時。
勿論です!と山崎がニコニコとうなずいた。

「受けてくれますか?」

「あぁ、家賃も貯まってるしな。ばばぁがうるせぇんだよ。そろそろ稼がねぇといけなかったし、ちょうどいいよ。」

「本当か!万事屋!!恩にきる。」

キラキラとした目で近藤が礼を言った。山崎も有り難うございます!と頭をまた下げた。

律儀なこって。


「で、その俺のお相手はだれなの?」


ふと重要な事に気付き、山崎に尋ねる。受けたはいいが相手が誰だか分かんないと困る。
その問いかけに山崎はニコニコと窓の外を指差した。

「あそこにいる人ですよ。」

「あそこ?」

なんだか嫌な予感がして、山崎の指差す方向を見るのを一瞬躊躇う。
まさか、まさかな。と指の先を見るとそこにはーー……

「江戸城…だね。」

「はい、江戸城です。」

「まさか?」

「はい、まさかの将軍様です。」


悪気もなく、答える山崎。

そこにイラリときた銀時。

「将軍かよぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」

と叫びながらスパーキングを山崎にかましてやったのだった。


その後は、まぁ、依頼は取り消しなしですよ!と言いながら帰っていった二人。
なぜか、大量のあんぱんを置いていかれた。

受けちまったもんはしょうがない。と銀時も腹をくくり、前にばばぁから貰い、タンスの奥にしまってあった着物を引っ張りだした。

ちなみに新八と神楽にはこの事は内緒だ。
秘密事項なので内密に。と山崎に口止めされたのだ。
なんでも、二人だけにされた直令らしく、土方や沖田くんでさえ、知らないのだと言う。
本当大丈夫かなぁ?と心配になったが、まぁ、今現在にいたるのである。

とりあえず、将軍に仮デートを楽しんで貰おうと事前に恋人に人気な店や場所は頭に叩きこんである。
何げに、腹いせとして、ケーキをたらふく食べれる場所にいってやる! 将軍なんだから金なんて余るほどあんだろ。と考え、あたふたする将軍をリードした。

「さ、それでは行きましょうか。」

「ああ、銀時殿。」

ささっと行こうと銀時が足を動かすと、待ってくれぬか。と後ろをから声をかけられた。

「何でしょうか?」

「片栗粉から聞いたのだが、恋人同士は手をつなぐらしいではないか。」

「…はぁ。」

「だから、その…私と手を繋いではくれぬか?」

そう照れながら手を差し出す将軍。

少女漫画かっ!と言いたくなったが、一生懸命言葉を飲み込む。

「はい、勿論ですよ。」

差し出した手を要望通り握れば、将軍は満足そうに笑い、有り難う。と礼をいった。
さすがに恋人繋ぎはどうかと思ったので普通に手を握っているだけなのだが。…なんか手が湿ってるぞ、こいつ。

「じゃぁ、行きましょう。」

そう将軍に笑いかけ、また歩を進めたのだった。








***


町行く人の中、愛しの銀色を見かけ、沖田はふと足をとめた。しかし、その驚くべき光景を目の辺りにし、あんぐりと口をあけ、目を見開いた。

「どうした、総悟?」

巡回を一緒にしていた土方がいきなり止まった沖田を不思議に思い、声をかける。
しかし、総悟の目線はその光景にすっかり釘付けにされ土方の声など届いていない。

「おいっ。」

それに少しイラリときた土方が先程より大きめの声で声をかける。
やっと、ぴくっと沖田が反応した。だが、他の人が土方の声にびっくりし、振り向いたにも関わらず、相変わらず沖田は視線を動かさなかった。

「土方さん…あれ。」

そう言って人混みを指差す沖田。

「なんだよ。」

と顔をしかめる。

「銀時さんが、銀時さんが男と歩いてやす。」

「男だぁ?いや、あの馬鹿はよく男と一緒に飲んだりしてんじゃねぇか。男といても可笑しかねぇだろ。」

そう、そうなのだ。彼奴はよく男と飲む。
グラサンのマダオと酔っぱらって、
肩を組ながら歩いているのを見かける。

その姿を見て、土方はいつも嫉妬するのだ。なんで、ベタベタくっついていやがるんだ。
てめぇも、女なんだ。自覚を持てよ。チャイナにいつも、男はオオカミだから気を付けろって言ってるじゃねぇか。

男はオオカミなんだろ?なら、てめぇも気を付けろよ。そう叫びたくなる。

何でそのマダオなんだ。俺にしろよ。

そんな心の訴えも知らず、彼奴はヘラヘラといろんなやつに愛想を振り撒くんだ。ちくしょう。

思い出してくるとだんだんイライラしてきて、ちっと舌打ちを漏らしながらタバコをとりだし、くわえた。
本当は巡回中は吸わないようにしているのだが、この際だ。もういい。火をつけようとライターを探していると、再び、沖田が声をあげた。

「いや、土方さん。銀時さん、男と仲良く手ェ繋いで歩いてるんでぃ!」

「……へぇ。手を繋いで…って、はぁぁぁっ!?」

思わず、くわえたタバコを落としそうになり、慌ててキャッチした。

何してるんでぃ。という目で沖田に見られた。

先程、沖田が指差した方向を食い入るほど見つめ銀色を見つける。
愛しの銀色は、いつもの格好とちがい、女性らしい綺麗な着物に身を包んでいた。
思わずほぅ。と見とれるが、問題は隣の男だ。
ほっかりむりを被っており、こちらからは顔は見えない。
だが、仲良く手を繋いで歩いているのは見てとれる。

くそっ、誰だ。相手の男は!!突然の男の出現に唇を噛む。
彼奴に男が出来たなんて聞いてねぇぞ。
ふざけんな、銀時は俺の女にする予定なんだよ!と酷く勝手なことを土方は思った。

追跡してやる。こればかりは巡回どころじゃねぇ。

沖田の方に視線を向ければ、バチンと視線があった。たぶん、大方考えは同じだろう。

「追うぞ!」

「へいっ!」

そう言って大きく頷きあうと、二人を追うべくして走り出した。

それは、もちろん必死な顔で。









***

「物陰に隠れて二人で何こそこそしてるアルか。ついに、お前らも、あのゴリラと同じストーカーにでもなったアルか!?」


定春とダメがねと安売りの卵をスーパーに買いに行った帰り道。
大量の卵を半分脅しでゲットし、ほくほくした気持ちで歩いていたときだった。

物陰でこそこそと目の前の最近出来たばかりのケーキ屋を除く二人組を見つけたのだ。
いつもは、無視するのだが、あまりの不可解な怪しげな行動に思わず声をかけたのだ。

「げ、チャイナ。」

「うるさいネ、サド。近寄るな、どsが移るアル。」

「てめぇが近づいてきたんじゃえねぇか。」

「ああん?やんのかゴラァ。」

メンチを切り始めた二人に、まあまあ。と新八が仲裁に入る。


「でも、どうしたんですか。お二人とも、張り込みか何かですか?土方さん。」

「いや、あの。張り込みちゃぁ、張り込みだが。」

珍しくもごもごと口ごもる土方。
そんな土方を見て、やっぱりストーカーネ!と神楽が唾を吐いた。

「ストーカーじゃねぇ!近藤さんと一緒にするな!ただ、なんだ…。」

「はっきりいうヨロシ!」

痺れをきらした神楽がギロリと睨みながら叫ぶ。
その様子を見て沖田がはぁぁ。とため息をついた。

「何アルか、サド。」

「もう、単刀直入に聞きやすがね、銀時さんに彼氏でも出来ましたかぃ?」

それを聞いた子供たちは一瞬ポカンとしたが、すぐにケラケラと笑いだした。真剣に聞いた沖田は、いきなり笑われ、少し眉を潜めた。


「何いってんですか!沖田さん!銀さんに彼氏なんて!頭でも打ちました?」

「そうネ!銀ちゃんに男の影なんて一切見れないアル!」

「まあ、仮に出来たとしても…」

「私らが徹底的にぶっ潰すアル。男なんかに銀ちゃんは渡さないネ。」


急に笑いをやめ、悪魔のような笑みを浮かべた二人に、銀時を狙う男二人は身震いした。
まず、このふたりから手名付けなければならないのか。とぼんやり思わされた。

だが、二人が知らないなら、これは一体どういうことなのだろう。

未だに黒い笑みを浮かべる二人に土方は恐る恐る声をかけた。


「じゃぁ、一体あれはなんなんだ。」

「どれですか?」

土方が顎で指した方向を新八、神楽が視線を向ける。

それは、さっきのケーキ屋。
だが、その中にいた人物に二人は目を見開いた。

「ぎ、銀さんっ!」

「な、何でケーキ屋に銀ちゃんがいるアルか!ずるいネ!私も食べたいアルよ!」

うがぁぁと怒り始めた神楽に、てめぇは何処に目を向けてるんでぃ。と鼻で沖田が笑った。

「馬鹿、チャイナ。よく見ろ!銀時の横をみろ!横だ。」

土方が暴れる神楽を押さえながら、もう一度見るよううながした。

しっかりその光景を視界に入れた神楽の瞳が驚きの色に変わる。




「何で!銀ちゃんが男と一緒にケーキ食ってるアル?誰ネ!一体何処のどいつアルか!」

「それがわかんねぇから、こうして追けてるんでぃ。」


沖田が唇を尖らせながら、近くにある小石をけった。

「ぁぁあぁっ、銀ちゃんんんっ。ダメヨ!あれほど知らない男には着いてくな。って言ったのにぃぃ。」

まるで母親のような口ぶりで叫ぶ神楽。
とりあえず落ち着け。と土方が宥める。


「…あの。」

今まで黙り、ずっと銀時と男の様子を観察していた新八が声をあげた。
その声に、なんだ。と三人は顔を向ける。


「あの人…将軍様じゃないですか?」

「「「…はっ?」」」


固まる三人に新八は説明をしてやる。

「だって、あの気品のある佇まい。何より、手拭いをつけていますが、見るからに高級品です。それにどっからどう見てみも将軍様のお顔ですよ。」


確かに、確かに言われて見ればそうだ。
気品の溢れるオーラ、高級品の手拭い。
将軍には何回かあったことがあるが、確かに将軍の顔と一致する。


「「「「えぇぇぇぇっ」」」

それを理解した三人はより、驚きのこえを強めた。

「あれ、あれアルか!頭にゴールデンレトリバーのウンコのせた彼奴のことアルか!?」

あたふたする神楽に、そうだよ。と新八が頷く。

「…おい、ちょい待て。将軍の頭にウンコってどういうことだ。」

神楽の言葉に反応して、土方が聞き返すが、二人の耳には入らず、スルーされてしまった。わざと?わざとなのかっ?

「じゃあ、銀時さんは将軍とお手手繋いで、デートってことですかぃ?」

話を総合した沖田が口をだす。その時だった。

「おい、銀時が将軍と手ェ繋いでデートたぁ、どういうことだ?」

低く、唸るような声とともに現れたのは過激テロリスト高杉晋助だった。
派手な着物をまとい、煙官を吹かしている。


「高杉っ!!」

沖田と土方が刀に手をかける。一方の高杉は余裕で刀に手もかけず、ただ、ククッと笑い声をあげただけだった。

「安心しな、狗ころ共。俺ぁ、別に刀を交えにきたわけじゃぁねぇ。」

「そういう訳にもいかないんでぃ。」

そう言って、高杉を睨み付ける沖田。
相変わらず、高杉は笑ってそれをみているだけだった。
その時、横から他のものの声が響いた。


「そういう訳にもいくのだ、幕府の狗よ。刀から手を離せ。今は、つまらん事をしている暇ではなかろう。」


現れたのは桂だった。

「…ヅラァ、てめぇも銀時を追ってきたか。」

「ああ、そうだ。」

高杉の問いかけに、桂はゆっくり頷く。

その問いと頷きに、あぁ、こいつらもか。と土方、沖田は刀から手を話した。

「…一時休戦だな。」

と土方が呟く。

その場にいた全員は大きく頷いた。







「で、誰も銀時と将軍が一緒にいるわけを知らないんだなァ?」

紫煙を撒き散らしながら、皆に高杉が片目を鋭くし問う。

「ああ。」

「そうですね。」

「そうアル。」

「残念ながら。」

「…俺もだ。」


ふぅー。と全員の口から溜め息が溢れる。

「まったく、銀時のやつ。勝手に浮気なんぞしおって。」

「…ヅラァ、いつ銀時がお前のものになった。ああ?」

「子供の頃に、俺の花嫁になると約束させた。」

「そんなの、あいつ忘れてんぞ。なかった事だ。」

「…なっ、なにを!高杉貴様!」

「そうですぜぃ、そんなの小さい子が、私、将来パパのお嫁さんになるぅー。と一緒でぃ。」

「だそうだ、残念だったな、桂。」

「くっ!」

ことごとく三人に潰された桂。ある意味気の毒である。

「…なんなら、俺ァ、昔、先生の次に好きといわれたぜ?」

「昔じゃねぇですかぃ。俺は、最近飯を朝に食いに言った時に、味噌汁を毎日、俺のために作ってくだせぇ。と言ったら快く承諾してくれましたよ?」

婚約完了でぃ。と笑う沖田に他の三人は食ってかかる。ぎゃあぎゃあ、騒ぎはじめた男たちに神楽が大声でどなった。



「何をごちゃごちゃいってるアルか!銀ちゃんは渡さないネ!」


腰に手をあて、睨み付ける。

そして、その後ろから黒いオーラを纏った新八が顔をだした。

「とりあえず皆さん。黙って赤飯をたきましょうか。」

さすが、お妙の弟と言うべきか。
その呼び掛けに誰一人として反論するものはいなかった。


















***



やっとのこと、将軍との仮デートが終わり、
銀時は鼻唄を歌いながらマイホームへと向かっていた。

ケーキもたんまり食えたし、お金もゲット!
これでしばらく、生きていける。
ちょっと帰りが遅くなってしまったけど、お土産のケーキもあるし大丈夫だろう、うん。

るんるん気分で万事屋への階段を登り、
玄関に手をかける。
ガラガラと開ければ、神楽がいると思ったがいなかった。
あれ、可笑しいな。いつものなら、このバカ娘がぁぁっ!ってスッ飛んでくんのに。

「ただいまー。」

声をかけても、返事が帰ってこない。拗ねてのか?

応接間への扉を開けようとすると、中で複数の気配が慌ただしく動くのを感じた。

え、なに?

疑問を抱えながらもガラリと
開ければそこには驚きの光景が。

「何これ。」


思わず呟く。

何故なら、いつもなら戦争でも起こしかねないメンバーが黙って皆、ソファーに
腰かけているのだ。

机にはホカホカの赤飯。



それに、神楽と新八のまとう空気が異様に黒い。


「何してんの、7時だよ!皆集合!!みたいになってるよ。」


銀時が、なんなんだ。と首をひねる。

すると、ようやく桂が口を開いた。


「…その、なんだ、銀時に枯れ木が出来たみたいな。な?」


「あぁ、銀時に枯れ木が…」

テンパリすぎて桂は高杉にバトンを渡したが、高杉もテンパリ、意味がわからなくなっていた。

「…は?枯れ木?」


さらに銀時が首を捻る。我慢できなくなったのか、神楽が、あー、もう!と机を叩き立ち上がった。

きっと銀時を見やる。ビクリと銀時がふるえた。

「銀ちゃん!将軍が彼氏ってマジアルか!」

「…はっ?」

その問いに銀時はビックリしたが、すぐに言葉の意味を理解したようだった。

「あー、お前らも見ちゃったかぁ。」

ケラケラ笑いながら、
今回の訳を話しはじめる。皆、それを聞き終わった後は、なんというかもう、脱力していた。
安心やらなにやら。

「もう、心配したんだヨ!」

と怒る神楽をごめん、ごめん。と銀時は優しくなでた。

結局、大量に作られた赤飯は皆で美味しく頂きましたとさ。





その後、万事屋は仮デートの依頼が沢山来たが、
新八、神楽が全力阻止したらしかった。












あとがき



リクエストしてくれたかたどうも有り難うございました。だいぶ遅くなってしまいましたが…。
今回は沢山のキャラを出すことができて楽しかったです。笑

もう、原作では将軍は亡くなっちゃいましたが、好きでしたよ、私は。

ブリーフ将軍w←バカにしてるだろ!

また、
よろしくおねがいします。リクエストされた方だけお持ち帰り可能です。


それでは☆★

    2月17日      by管理人


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