銀の夢
傷心(土♀銀)
お前が、好きなんだ。
そう彼に言われた時、本当に嬉しかった。
これ、夢なんじゃねぇの?ってほっぺをつねって。
でも、やっぱりジンジンと頬は痛んで、現実なんだ。て思ってさ。
前から、俺も彼奴が好きだったんだ。
でも、俺は嫌われてる。そう思ってた。
なにより、彼奴には昔から好きな女性がいたんた。俺とは間反対の綺麗でおしとやかな人。もう、今はいなくなってしまったけど、今でも、きっとその人は彼奴の心の片隅に巣くっているのだろう。
でも、彼奴のすごい真剣そうで、方や何処か捨てられた子犬のような顔されて、そんなこと言われたら堪んないでしょ?
びっくりしたけど、心のそこからやったぁ!って叫びたくなってさ。
その時は、例えその人が一番でも、例え自分が二番手でも、一番自分が彼奴の傍にいることが許されるならそれで良い。
そう思ってた。
だけどね、違ったな。
信じてたんだけどなぁ。もう離さない。って言ってたじゃん。あれは嘘だったの?
馬鹿でがさつな女を落とすためのただの手口だった?
ギラギラとした目に痛いくらいの夜のネオンの中で見つけた見知った背中。
その横には、綺麗な着物をきた可愛らしいお嬢さんの背中もあって。
ああ、また棄てられるのか。いやもう、棄てられたのかも。
頻繁に掛かってきた電話やメールも今や全くこないもの。鳴らないもの。
折角、お前が買ってくれたのにね。
もう、万事屋に依頼の電話が掛かって来る方が多い気がするよ。
滲む視界の中、ぼんやりと歩く二人を見つめる。
綺麗な高そうな着物を身に付けるお嬢さん。きっと大方、お偉いさんの娘だろう。
まさに大和撫子。一方、自分はどうだ?どこの生まれも分からない、貧乏人。
女のくせに、木刀は振り回すわ、がさつでちっとも可愛らしくない。
天と地の差じゃないか。
釣り合わない。俺は彼奴にはふさわしくない。
よく考えれば分かったことじゃないか。
馬鹿だな、俺。すっかり舞い上がって周りが見えていなかったのだ。
「…ははっ」
口から乾いた笑いがこぼれた。口の中はパサパサなくせに、目からは水滴が止まらない。
何だよ、これ。止まらねぇよ。
その場にいるのが苦しくて、くるりと二人から背を向け走りだす。
二人は気づかない。
幸せそうに笑いあって。
ぽろぽろ、ぽろぽろ。地面に小さな水玉を作りながら、必死に足を動かした。
走れ、走れ。
少しでも離れなきゃ。
彼奴に見つかったらいけない。
彼奴はとっても優しいから。
だから、こんな俺を見たら、自分の幸せを捨ててまで俺の方に来るんだろう。
だめだ、それじゃ。
俺が我慢をすればいい話。大丈夫、我慢はなれてる。
俺がいなきゃ、幸せは成り立つ。
俺の存在は邪魔なだけ。
大丈夫、大丈夫。俺は一人でも生きていける。少しの間だけど、傍にいれただけいいじゃないか。
十分幸せじゃんか。
だから、だからさようなら。
お幸せに。
大好きでした。
土方くん。
***
あとがき
何がやりたいのか分かりませんね。
とりあえず、別れネタを書きたかっただけですね、はい。
今回は銀ちゃんサイドでお送りしました。
実は土方サイドもちゃんと考えてあるんですよ。でも、書いたら絶対長くなる気がしてやめときました。
土方さんが浮気したのには理由があります。大方皆さんの予想通りです。
そうですよ、いまあなたが考えた展開ですよ。笑
一応区切りが良かったんでここでお話は終わりました。
どうしようかな、続き書こうかな?
と悩み中です。
アンケートの小説もたまっているんで、やばいなぁ。
設定とか考える時が一番楽しい←おいw
では、では^^
ここまで読んでくださり有り難うございました!
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