「好きだ」 「…へ?」 「好きだ」 「え…っと、奈良だっけ?」 「………」 「…違ったっけ?」 「…合ってる」 「…奈良って、ソッチ系ってことか?」 「別にそーじゃないけど」 「…?」 「アンタ、幸せそうだなと思って」 「…そ、それだけで?」 「あぁ」 「変わったやつだなー」 「ワリィか」 「いや、すげーいいと思う!」 「……意味分かんねー」 「オレ変わってる奴好きだから」 「なんだそれ」 「ははっ」 「………キバ…」 夢を、見た。 夕方の校門、オレがキバに告ってるの。 もう何年前だ。こんなにも鮮明に覚えていることに対して、バカだなぁ…と思う。 もう忘れろよ。 忘れろよ、自分。 |