手折った腕
:軽く注意報
ちょびっとだけグロいかな…?というような表現が含まれてますので、苦手な方はスクロールでとばしていただくかプラウザバックでお戻り下さい。
アスシカ?です。
因みに、同棲してる。夫婦みたいな関係。
あまつきは普通の甘です。
↓
↓
怠かった。
今はもう何もしたくなかった。
でもしなくてはいけないことがあった。
俺はゆっくりと椅子から立ち上がった。
アスマが帰ってくるのは二週間ぶりだった。
遠征任務だと言い張るアスマの目には、揺らぎが見えていた。
どこに行っていたかなんて明白だった。
それでも、夕飯の用意をしなくてはいけなかった。
買い物はすませている。
後はアレだけだった。
早くいかないともう駄目だと思った。
髪だけ縛り直してポーチに包丁だけつっこんで、外に飛び出した。
「ただいま」
その、の太い声が聞こえたのは、時計の短針が10を示す頃だった。
「おかえり」
そう言ったら、久々にまじまじと顔を見られた。
アスマが近付いてきたときに、髪から知らない匂いがした。
本当は、長期任務なんてなかったなんて知ってた。
アスマは13日の有休をとっていて、この二週間で任務があったのは今日の朝から夕方までだけだった。
「飯、もう出来っから」
「ああ」
その短い返事が、目に染みた。
鍋のフタを開けたら、異様な染み付くような匂いが部屋に充満した。
席につくアスマの分をよそってやった。
「今日はキムチ鍋か?」
「ううん」
違うと答えたら、うつわを覗きこみ怪訝な顔をされた。
気付かないフリをしてやる。
「…変わった味だな」
「うん」
それは、不味いということを意味しているのだと思った。
アスマがある具を箸で摘んで言った。
「これ、何だ?」
さぁ、食べてみたら?
とは言えなかった。
自分にも少しながら情けが残っているのかと感じる。
「うん」
「いや…うん、じゃなくてな…これ何?」
聞かないで。
「うん」
食べてからの御楽しみってやつ、だから。
「……………」
沈黙が続いた。
アスマはそれを食べようとしなかった。
言うしかなかった。
「指だよ」
一瞬、時が止まった。
「…は?シカマル、どうした」
「今日は片腕しか捌いてないけど、残りは冷凍庫に入ってる」
俺がそう言った後、アスマの顔は青白くなっていた。
少し震えていたようだった。
「じゃあ、この鍋の、色、は………」
「うん」
アスマは目の前でうなだれた。
そんな姿を見るのは初めてだった。
「これ、誰の………」
分かってるくせに。
上忍のくせに、そのくらい推測できなくてどーすんだよ?
「アンタの一番大事なヒト」
(今までありがとう、さよなら)
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シカマルが病んでます
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