大嫌いだよ、お前
「キバ」
「あ、おかえりー」
「いい加減にしろ」
「なにが?」
惚けるキバに苛立った。
「てめーはなにがしたいんだ」
「だから、なんのこと」
机に向かっていた体をゆっくりこっちに向けたキバは、いつものように屈託なく笑った。
「そんなんじゃごまかされねーぞ」
「だからシカちゃん、どーしたの」
「………!」
そんな顔をすんな。そんな、如何にも心配してますっていう。演技だろ、どうせ。
そう思っても、いつも流されてしまうのだ。
「……………なんでもない」
「……なんか、あったならオレに言ってよ?」
優しいキバ。
本性が分からなかった。
高校の寮。実家から毎日通うには少々遠すぎるから、という至って普通な理由でここに入った訳だ。まあ大多数の人間はそんな理由だろ。2人部屋、ていうのは多少広いのかもしれないけど。
ベッドにボスン、と豪快に倒れ込んだけれど、やっぱりあんまりすきになれない。薄汚れたカーペットの引かれた部屋より畳が好きだ。弾力のあるベッドよりも敷布団が好きだった。
「……………」
最近、周りの態度がおかしかった。
「はよー……」
「おはよ、シカマル」
今日も眠そうだね、と声をかけてくれたのは言わずもがな。
「チョウジ…」
「なに?」
「や、…なんでもない」
席にドカッと腰を下ろすと、ナルトと目が合った。
「…あ、はよ…だってば」
「おー」
ぎこちなさそうに笑いかけてくるも、こっちに寄り付いてこようとはしなかった。
(…ま、いーけど)
慣れた、というのも可笑しいか。でもここ二週間くらいずっとこんな感じで。
というか、段々と素っ気なく、どこか脅えるような目でオレを見てくるようになったのだ。オレがなにかしたという風に考えるには、少々記憶になさすぎる。
にしゅうかん。
遡って考えると、浮かんできたのはアイツだけだったのだ。
二週間前は、オレとキバが別れた日だった。
続く。よく分からない感じなのはほっといてやってください。リクエスト消化しろよってのは禁句です。嘘ですごめんなさいこれ書き終わったら書きますから(´・ω;`)
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