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怒声とピンク


「バカか!」
「へへ」
「笑い事じゃねぇ」

有り得ねぇ、有り得ねぇ。
比較的静かな俺が、なんでこんなに怒ってるか。きっとクラスでも半分以上のやつらは分かるのだ。俺をここまでおちょくるのはコイツぐらいのモンで。

「キバ、てめ…ころすぞ!」
「女の子の言葉じゃねーぜシカマルっ」
「なに嬉しそうにしてんだ!」



俺が今、くしゃくしゃに手に持ってる紙が今回の揉め事の元凶。
広げるのも悍ましーぜ。
俺の背中にピトリとくっついていたこの紙には…
『今日のパンツはピンク色☆』


なにが☆だっ!
3限目に寝てた俺が悪いっつったらそんだけかも知んねーけど…、
俺はそれに気付かねーまま4限目をすごして、パン買いにキバと売店に。30個限定プレミアムメロンパンを買いにきた奴等に揉みくちゃにされて、やっとの思いで脱出した時に紙がヒラリと宙を舞た。
俺の背中の紙だ。




「大体なんでお前が俺の下着の色を知ってんだよ!」
「そんなの、見たからに決まってんじゃん」
「どーやって…」
「スカート捲れてた」
「言えよ!」



ケロリとした顔のキバにイライラ。
そして良く考えたらクラスの奴等も気付いてたハズ…
共犯かよ。

どおりでナルトがこっちを見て笑い転げてた訳だ。
4限のアスマがこっち見てプッと噴き出してた訳だ。


「さいあくだ」


何処の誰が今の自分の下着の色を公開しながら平然とした顔で校舎内を歩けるんだ。露出狂かよ!
そんでナルトは兎も角アスマのやろ…せんこーなんだったら教えてくれたって…!


「どー責任取るつもりだ!」

「結婚しよう」

「バカか!」

教室に笑いが巻き起こる。ひゅーひゅー、なんて言ってんのは何処の誰だってんだ。


「祝福ありがとうございます」
「ニヤけてんじゃねー!」










「キバ」
「なんですか」
「今日帰りマック奢れ」「ぇ…俺いま金欠なん「いーから」
「…はい」
「ダブルチーズバーガーセットとマックフルーリー、シャカシャカチキン」
「シカマル…太るぞ」
「うるせー」



キバを許した訳じゃない。物で解決しようとしてるわけでもない。ただ、別にキバが嫌いな訳じゃないってのだげが今の気持ち。


さっき、昼休みキバが言った言葉が、頭に残ってただけ。




「やっぱ止めときゃよかった」
「んなこと言っても許さねーからな」
「そーじゃなくて……」


`シカマルは俺のもんなのに、あんな風にパンツの色公開しちまったから、みんなシカマルを好きになっちまうかなぁ…って。'


一瞬、パンを落としそうになった。

バカだ。とは分かってる。確かにこいつはバカだ。ただ人を煽てるのは上手いらしい。いつからお前のモンになったんだ俺は、ってことを除いて、少し悪い気はしない。

顔が熱いのは認めない。照れ隠しなんて言わせねーけど、なんだか落ち着かねーからキバを一発殴っておいた。
















(…太った…)(ほらみろ!)
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リクエストのキバシカコ。
遅くなってすみません…



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