プレゼントは?
「おーい、シカマルさん」
「なに」
「なんか欲しいもんとかある?」
「何で」
「何でって…」
勿論、今日があなたの誕生日だからです。
「んー…………」
「え、そんな悩むほど欲しいもんないのか?」
「いや………うん」
「あー………」
そうですよね、きっとシカマルさんはお父様に可愛がられてるから、欲しいもんは買って貰ってんだろーね。うん。まあ秘伝の巻き物とか禁術の本とか言われても、無理だけど。
「んー…秘伝の書とか」
「デジャヴ!」
「は?状態だけど」
「なんでもないです」
「変な奴」
「シカマル……」
グサリときました。
シカマルくん、オレMじゃないから、あんま傷つけないでくださいよ、ほんと。
「な、なんかオレが買えそうなモンとかで……」
「ない」
「さいですか」
わがままシカマルくんが発動した模様!
停止スイッチの有りかは僕もといオレには分かりません。
「なんもないの?」
「……んー」
オレがあげられるモンなんて限られてるって知ってるけど、それがオレとシカマルをつなぐ何かになればいい。と、思う。
シカマルは束縛を嫌うんだろうか。オレはもしかしたら、シカマルを閉じ込めてオレにしか触れさせないようにだって、いざとなったらしてしまうかもしれない。
勿論今のオレにはそんな力も行動力も勇気もないからしないけど、もしシカマルを閉じ込めてしまっても賢い彼のことだ、オレの目を盗んで出て行ってしまうと思うけどさ。
それとも、淋しいオレのことを想って、バカなフリしてそこにとどまっていてくれる?
「キバ」
机にうなだれているオレの上から、声が降ってきた。
総退出のすぎた放課後の教室に二人。
良いシチュエーションだなぁ、なんて。
上を向くと、シカマルがオレを見下していた。
「決まった?」
「一応」
「オレが買える値段のも「キス」
オレの言葉を遮ったシカマルの唇から、聞き慣れない言葉。
フリーズした。
「え………っと、魚の?」
「な訳ねーだろ」
「ですよね」
「だから、…ちゅーだって」
「ねず「バカにしてんのか」
「すみませんでした!」
今、オレの夢の中のシカマル…じゃない本物のシカマルがキスって言った?キス?って、チュー?チューって…キス?あれ、オレ何のこと言ってんだっけ。
…あぁ、キスか。
って、
「ぇ、え…!!」
「いやなのかよ…?」
「滅相もございません」
「じゃあ、はい」
はい…って、言われても。
「し、しかまる」
「…んだよ」
「どうしたんですかね」
「何が?」
「頭とか……」
「……………」
「失礼なこと言いましたすみませんでした!!」
ムスっとしたシカマルも可愛いなんて、笑える。
確かにシカマルは美形…だとオレは思う。けど、可愛いだなんてオレの目もそろそろ悪い。
男の軽い赤面に、欲情だなんて。
「シカマルさん」
「早くしろよ!」
「目を閉じたりは……」
「五月蠅い」
「え……」
やっぱりシカマルを閉じ込めておくなんて無理だなぁ、と思った。
オレの方がシカマルに忠実な犬みたいなもんで、鎖でくくりつけておかれるのを待ってんのかも。
Mだって?ほっとけ。
「キバ」
「ん?」
「愛してる」
「あ、オレが言おうと思っ……!!」
「はっ」
「…男前ですねシカマルさん」
「まあ」
「否定しろよそこは」
こんな笑い合えるくらいの関係が良いのかもしれない。
とりあえず、目の前のシカマルの唇に届くようになりたい。
(お前…キス下手くそ)(えっ!?)
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一ヶ月近く遅れた鹿誕小説です…たはは……(^ω^)
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