BLACK!
act.13
『うわー懐かしー』
「まぁ、10年後のお前からしたら懐かしいだろうな」
act.13
10年前の私の部屋は必要なものしか置いてなかった。
「10年後の劉夜の部屋もこんなんか?」
『ん?まぁこんな感じだよ』
でも少しこの部屋より小さいかな!
あの人達ケチィから私部屋だけ何か貧相なんだよね。
「何か飲むか?」
『あ、うん。私が淹れようか?』
「いや、いい。お前は一応客だからな」
そう言ってアギトは部屋から出て行った。
いやぁ、何か久々に客人扱いされたなぁ…しかもアギトに。
『いつも私が迎える側だからなー』
ていうか眠いな…。
私はベッドに倒れるように横になる。
『少しだけ…』
私の意識は深い闇へと堕ちていった。
――劉夜
何もない真っ白な世界。その虚無な空間に木霊する優しい声。
『りゅ…や?』
「そう。君の名前は劉夜だよ」
優しい声の持ち主が微笑みながら言う。
『劉夜…』
「気に入ってくれた?」
・ ・
彼は私の目線の高さに合わせる。
・ ・ ・
私は小さく頷く。彼は私の頭をゆっくりと撫で、
再び新い名前を呼ぶ。
『ありがとう、カトリア先生…』
「おい、劉夜!」
『ん…?ア…ギト?』
「おう。全く、戻って来たら寝てるって…」
『あはは、ごめんごめん。所で私どれくらい寝てた?』
「オレが戻って来てからも寝てたから…1時間くらいじゃねぇ?」
『そっか…』
結構な時間寝てたんだな、自分。しかし…懐かしい夢をみたな…。
『カトリア先生…』
「ん?何か言ったか?」
『何にも。紅茶冷めちゃったね…』
「劉夜が寝てたからだろ!淹れなおしてくる」
『ごめんなさーい』
アギトは紅茶を淹れなおしに部屋を出て行った。
あー悪い事しちゃったなぁ…。
それにしても、何故カトリア先生の夢をみたんだろうか。
『向こうでは見なかったのに』
こっちに来て少しだけあの頃の事を思い出したとか?
『そうかも…。てか、いつ向こうに戻れるんだろう…?』
もしかしてこのままとか?
いやいやいや、それはないない!もしあったら時空的なものが歪むしね!
「淹れてきたぞー」
『ありがとう』
まぁ、取りあえずこっちで生活しよう。
act.13END
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さてさてお次は10年後の彼ら!
2009/7/13
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