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BLACK!
act.12



「リボーン」



「何だ」



「この子は誰なんだ?」



「知らねぇ」













act.12









「知らねぇじゃないだろ!」



さっきから適当な返事ばかりするリボーンに少しイラつく。



「知らねぇもんは知らねぇだよ。劉夜が消えたと思ったらコイツが急に襲いかかってきたんだ」



リボーンは気絶して眠っている女の子を顎でしゃくる。



「もしかして…劉夜かこの子」



「はぁ?10年バズーカは10年後の自分と入れ替わるもんだろ?」




「ああ。本来ならそうだけど…そのバズーカが壊れたらしい。どうやら修理中に誰かが持ち出したみたいだな」



ジトリとランボを見ると肩をビクリと震わせた。



「ほお、誰かがな…」



リボーンもジトリとランボを見る。



「オレが持ち出しました…」



半泣きでランボが謝った。


これ以上責め立てても泣くだけだし、もう良いだろう。(泣かれると面倒だし)


「で、なんで劉夜が居ないんだよ?」



「あー…アホ牛のバズーカを銃で打ち返したら劉夜に当たった」



「で、消えてこの子が襲いかかってきたと?」



「ああ」



しれっとリボーンが肯定する。



「じゃあ、この子は劉夜の10年前ってことか…」



はぁ、全員集めるか…。



「隼人」



「はい」



「至急全員集めてくれ」



「分かりました」



隼人に伝えた後、リボーンとランボの方を向く。



「お前等もだぞ」




「チッ分かった」



「はい」



返事を聞いた後、オレは応接間から出た。



まったく、トラブルメーカーかアイツは。






一方、トラブルメーカーとして扱われた劉夜は…。




『…どこですか、ここ』



バズーカに当たったと思ったらどっか飛ばされるし…。



つうか、ここ来たことあるような…。



『あー…何処だっけ?』



取りあえず適当に歩く。すると何かに躓いた。



『うおっ?!』




くっそ!!誰だこんな所にゴミ捨てた奴は!!



私は躓いたものを見た。



『!…これって…』



そこにあったのは無数の死体。私は驚き、後退る。


『ははっ…元殺し屋のくせに何びびってるんだ私』



ドクンドクンと心臓が高鳴る。どうやら久しぶりに屍を見たせいで体が一般人の反応をしているらしい。


『……やっと落ち着いた』


私は死体に近付く。



『死因は…刃物で心臓を一刺しか。ん?』



薄暗い中でチカチカと何かが光った。



『ナイフ…!』



私はそのナイフを拾い上げ、見た。



『これ…私の…?』



丁寧に研がされたシルバーのナイフ。所々血で錆びれている。



私が一番良く知っているナイフだ。



『まさか…』



私は愛用のナイフを取り出し、見付けたナイフと比べる。



『わた、しの…?』



どういう事だ。何故こんな所に私のナイフがあるんだ。


私はこんな所来たことない。


…来たことない?本当だろうか。


そんな考えがふと頭によぎった。

良く考えてみよう。何故こんな所に死体がある?何故私の愛用している同じナイフがある?



『私が殺したから死体とナイフがある』



口からそんな言葉が零れた。


今、私は何と言った?



――ワタシガコロシタカラ


『あ…』



――シカバネトワタシノナイフガアル



『おも、いだし、た』



そうだ。ここは私が幼い時に殺戮を繰り返した場所だ。



しかし、もうそれは10年前の話だ。何故10年後の私がこんな所に居るんだ?



『あのバズーカに当たったから』



あの牛柄の角の生えた青年のバズーカに当たったからだ。



『だとしたらいつ帰れるんだろう』



私は小さく溜め息をつき、歩き出した。


じっとしていた所で何も始まらない、ということで歩き出した。



『出口はどこだーー!』



薄暗い空間に声が響く。


聞こえるのは私の声だけ。


『何でこんな面倒なことに「誰だ!!」』



私は声がした方を向く。


『アギト…!』



そこには刀を構えた幼いアギトが立っていた。



「誰だ、お前。何でオレの名前を知ってるんだ」



今にも襲い掛かりそうな勢いでアギトが言った。



ああ、10年後の私だから
劉夜って分からないのか。



『私は10年後の劉夜』



「はぁ?何意味分かんねぇこと言ってんだ。それよりお前、何でオレと劉夜の名前を知ってるんだ」


『だから、私は10年後の世界から来たんうわっ



話そうとしていた所に刀で攻撃された。



「その身のこなし…お前もここのファミリーか!」



『違うって、うおっ』



再び攻撃を仕掛けられる。


あーもう、ちゃんと話聞けよ!



『ちゃんと話聞け!』



私は攻撃を仕掛けてきたアギトの頭に踵落としをお見舞いした。



「いってぇぇえ!!」



アギトはその場に座り込み、頭を抱えた。



『ホント、昔から人の話を聞かないねアンタは!』



「この踵落とし…劉夜!」



『さっきからそう言ってんでしょ。つうか、何で踵落としで分かるんだよ』



私、毎日の様に踵落としやってなかったよ。



「でも何ででかいんだ?」


アギトがまだ痛む頭を擦りながら聞いてきた。



『あーそれが…』



私はここに来るまでにあったことを話した。来るまでっつーか、原因を。



「へぇーバズーカなぁ」



『ホント、迷惑だよ。面倒だし疲れるし』



途中から愚痴り合いになっていたのは気のせいだ☆←


「って事は住む場所ないんだよな?」



『ああ、そうだった』



「忘れてたのかよ。じゃあ、この時代の劉夜の部屋使うか?」



『え、良いわけ?否、私に変わりないんだけど…』



「良いって良いって。じゃあ、さっさと行こうぜ」



『あーうん』



私はアギトの後をついていった。




何とか泊まる場所と食料は確保出来るみたいです。





act.12END






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