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6.不幸な再開








 「ッ…ハァ…ハァ…ハァ」

 たくさんの山
 死神に斬られたわけでは
 ないので昇華されずに
 山となる虚


 しかし銀時の周りには
 何重にも層を
 重ねるように
 舌舐めずる虚…

 「ヘヘ…ちょっと…
 苦しくなって…
 きたな…オイ…」

 頭から垂れる血を
 拭いつつもう一度
 木刀を握りなおす

 腹辺りからも出血が
 酷く足元は
 血の溜まり場に

 言葉も体も限界だが
 瞳にはまだ光が
 宿っていた

 それは
 数m離れていた土方も
 同じであった

 「ハァ…万事屋ァ…!!!」

 「な…んだよ…
 今…忙しいっての…!!」

 ガタガタと震える
 血が流れる足を
 震いたたせ土方は

 「…死ぬんじゃねぇぞ…」

 低く、しかし
 はっきりした声で
 呟く

 「…ハッ!
 ついに…頭も…
 おかしく…なったのか
 マヨ野郎…」

 皮肉めいた言葉を
 吐く銀時だが
 裏腹に顔は
 うっすら微笑んでいた



 「「行…くぞォォォ!!!…
 ってギャアアァァァ!!」」




 小説じゃわからない
 この絶妙なタイミング

 二人が再び
 飛び出そうとした瞬間
 虚が(一際大きい)
 倒れ込んで来たのだ

 もちろん突然の事に
 二人は下敷きに


 その虚に乗っかって
 いたのは…

 「銀ちゃぁぁぁんっ!!」

 「トシィィィィィィ!!!」

 「どこ(だ・アルか)ァァァ!?」


 「オイ!!
 ちょっと待て待て!!
 危ねぇからっ!!」

 「そうですよ!?
 神楽ちゃん!近藤さん!」

 「わぁ…おっきい
 虚倒したね♪♪」

 珍しい組み合わせの
 神楽と
 真選組局長・近藤勇

 そして後から
 現れたのは
 困り顔の一護
 慌てる新八
 吃驚しつつも
 笑っている織姫だ


 「うぅ…ここにも
 いないアル…」

 「トシィィ!!(泣)」

 「いい歳こいて
 泣かないで下さい
 近藤さん。
 大丈夫だよ神楽ちゃん
 銀さんならきっと…」

 近藤に冷ややかな
 視線を送りつつ
 神楽に微笑む新八

 「そう…アルネ!!」

 一歩を踏み出す神楽
 同時に
 ムニッと言う何かを
 踏む音

 「私達の銀ちゃんが
 死ぬわけないネ!!」

 もう一歩踏み出す
 もう一度ムニッと
 踏む音

 「「「「…………」」」」

 神楽を見つめ
 黙る四人

 「……?
 どうしたアルか皆」

 「…人…じゃね?それ…」

 重い口を開けた一護は
 ひきつった笑みを
 神楽に向け下を指す

 ゆっくり神楽が
 下を向くと
 そこにいたのは
 白目を向いた
 あのコンビだった














 「ギャアアァァァ!!!!」














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