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7.和解?×敵襲





 「石田、井上
 何でお前らも?」

 まだ騒ぎ(会議)の
 余韻が残りながらも
 静けさを取り戻した
 保健室

 監視役でもない
 井上と石田が残った
 事に疑問を浮かべた一護

 「居ちゃ悪いか?
 僕だって一応クラスメイトを
 心配してるんだ」

 「んだよ、その言い方…」

 相変わらず刺々しい
 言い方をする石田に
 ムッとする

 「井上はどうしたのだ?」

 「私はやっぱり
 高嶺君の怪我が心配で…」

 大丈夫だとは
 思うんだけど…と
 苦笑いしつつ優しい一面
 見せる織姫にルキアは
 微笑む

 「…ま、建前は
 置いといて」

 クイッと眼鏡を上げ
 石田はベットの方向に
 歩み寄る

 「建前ってオイ…
 …?」

 呆れつつ石田が歩み寄る
 方向に高嶺が居ることに
 気付き眉間に皺を寄せ
 疑問符を浮かべる

 石田の様子に
 織姫もルキアも
 気づいたのか同じく
 疑問符浮かべる

 石田はピタリとカーテンの
 前に立ち止まると
 視線を鋭くし
 一気に右に引いた

 「…僕が興味があるのは
 2つだけさ
 全ての話を聞いて
 君はどう思った?
 そして……
 君は一体何者だ?
 …高嶺清麿君」

 驚きと不安が混じった
 視線の先には
 上半身を起こし前を
 見据えた清麿の姿であった












 ―同時刻


 暗雲立ち込める空
 まだ夕暮れだというのに
 この山奥は闇に包まれ
 怖いぐらいの静けさが
 あった

 しかし、ある洞窟から
 静けさを壊すように
 地を這う声が響き始めた


 …ドコニ…

 ……ドコニ…ドコニ……

 …ドコニ…ドコニ…ドコニ……


 この世のものとは
 思えない声は徐々に
 強さを増し止まることを
 知らない










 ―場所は戻り保健室



 「…た、高嶺…!?」

 未だ寝てると高を
 くくっていた一護は
 ただただ目を見開くばかり

 織姫も口をおさえて
 驚いているが
 ルキアだけは少々眉間に
 皺を寄せ石田を見る

 「どういうことだ石田…!
 会議中に高嶺が
 起きていたことに
 気づいていたのか?」

 「まさか、気づいたのは
 日番谷君達が出た後さ」

 「そんなはずっ…
 普通の人間が完全に
 気配を消し隊長各を
 欺くなど…!!」

 そう、会議の内容を
 聞いていたと言うことは
 起きた気配を消し尚且つ
 終わるまで感じさせ
 なかったということ

 常人が気づかなかった
 というのは仕方ないが
 護廷隊長各に気づかせ
 ないほど気配を殺すのは
 あり得ないのだ

 絶句するルキアに
 一護はハッとし慌てて物言う

 「ま、待てよ!
 まだ高嶺が会議聞いてた
 なんてわかんな…」

 「聞いてた」

 一護の言葉を遮るように
 発した高嶺の言葉に
 一同は静まり返る

 「…盗み聞きする
 つもりはなかった
 ただ聞いてしまった
 事は事実だ」

 臆する事なく一護達を
 見る高嶺はゆっくり
 立ち上がった

 「石田…さん
 だったよな
 話を聞いてどう思ったか
 俺が何者かって」

 「!あ、あぁ」

 突然名前を呼ばれ
 身を思わず固くする石田

 「…どんな事情が
 あるにせよ疑われるのは
 あまり良い気分じゃない
 ただ、朽木さんと黒崎さん
 が庇ってくれたのは
 率直に嬉しかった」

 固くしていた表情を
 緩ませ少し微笑む

 「庇ってくれた
 2人のためにも
 俺は話したい
 俺が何者か、敵か味方か
 そして知りたい
 君らが何者か、敵か味方か」

 きっと"答えを出す者"
 使えばわかることだ
 でも、これは
 彼らから聞かなきゃ
 いけない事だ

 そう強く感じる…


 「高嶺…」

 「高嶺君…」

 まとめられた言葉に
 再び沈黙する一同

 ただその意思は一つに
 固まっていた

 「…わかった
 私らは解りあう必要が
 あると判断する
 早速日番谷隊長達に
 連絡を……」

 ルキアは伝令神機を
 取り出し電話をかける

 その間に織姫は小走りで
 高嶺に近寄り

 「高嶺君!
 痛いとこない!?」

 「え、は、はい…
 ないですけど…」

 先程までの重々しい
 雰囲気を一気に晴らす
 かのように笑顔で言う
 織姫に戸惑う清麿

 敵かもしれないのに…
 いや、敵では
 ないんだけど

 良かった〜と安堵の
 ため息をつく織姫に
 好感を持つ

 丁度その時ルキアの
 伝令神機が繋がった
 様だが何やら様子が
 おかしい

 「日番谷隊長!?」

 『…ザザッ…ちき…
 き…ザザッ…ろ…ピー…
 …こえ…ザザッ…な…』

 大部分にノイズが入り
 全く聞こえず
 所々聞こえる日番谷の
 声も焦りが含まれている

 「ルキア?どうした?」

 「どうやら霊波障害が
 発生しているようだ…
 ノイズが入っていて
 全く繋がらぬ」

 「霊波障害…
 何だかタイミングが
 良すぎないか?」

 「私もそう思う
 日番谷隊長の様子も
 何だか焦っている
 様だったしな…」

 顎に手をあて思案する
 ルキアと石田

 「よし、じゃあ俺が
 行ってくるぜ!
 破面だったら
 心配だしな…」

 腰に下げていた
 代行証を胸に当てようと
 触れた瞬間


 ガシャアアンッ!!!

 「きゃああああ!!」

 つんざく様な
 凄まじい音と
 織姫の叫びが響く

 突然ベット側の壁が
 破壊され伸びた異形の手に
 織姫が捕まってしまった

 「井上ッ!!」

 「井上さんッ!!」

 一護は素早く死神化し
 瞬歩で外に出る
 追うようにルキアも
 死神化する

 石田も飛廉脚で
 行こうとするが
 ふと、織姫の側に居た
 清麿の姿が見えない事に
 気づく

 嫌な予感が脳内にはしり
 目線を外に移すと

 異形の手…大虚の手に
 捕まれている織姫の足に
 ぶら下がっている人が
 見える

 ―…高嶺清麿張本人だった


 「え、えぇぇ!?」

 あまりの驚きに石田の
 口から情けない叫びが
 出た






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