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4.見覚え×疑い




 「悪い悪い!
 ちょっと居眠り
 しててな♪」

 一年三組担任
 越智 美諭
 個性的な三組を
 まとめる人格者であるが
 ちょいちょい先生とは
 思えない外れた言動で
 周りを驚かせる

 (((居眠り…!?)))

 と今も生徒は
 驚いているが
 口には出さない


 「じゃあまず出席!
 …と言いたい所だが…」

 「転校生!ですよね?」

 1人の女生徒が
 ニコニコ笑いながら
 声高らかに言う

 「お、情報早いな―
 その転校生がもう
 来てるからな
 紹介しようと思う」

 出席簿を机に放り投げ
 廊下を指差す

 キャアキャアと女生徒達は
 ざわめく
 どうやら男と言うことも
 広まっているようだ

 「んじゃ入って入って〜」

 いつもと変わらぬ
 軽い調子で転校生を呼ぶ

 数秒も経たない内に
 ガラッと教室の前の扉が
 開かれ、転校生――
 もとい高嶺清麿は
 内心ドキドキで入ってきた

 まさか刺客と
 疑われていることは
 勿論露知らず











 「高嶺清麿です
 宜しくお願いします」

 黒板に大きすぎず
 小さすぎずの名前を書き
 俺は一礼した

 「へー清麿って珍しいな」

 隣で担任の越智先生が
 呟いているが
 もしかして俺の名前
 初めて知ったのだろうか

 …いや、それはないだろ

 「じゃあ質問タイムにでも
 するか?どうせ1限目
 私担当だし」

 「いいんですか!?」

 女生徒が嬉しそうに
 質問を考え出す

 「高嶺もいいだろ?」

 「は、はぁ…」

 こういうノリは
 中学以来なので
 少し緊張する

 とにかく雰囲気は
 良さそうだ……?

 ……何か…不良っぽい
 人にガン見
 されてるんだが…

 ふと後ろの方に
 目をやると
 金、銀、オレンジ…
 何やら凄い見た目の
 方々がいる
 (カッコイイ感じと
 美人な感じだから
 多分モテるだろう)

 …その中のオレンジ頭の
 人に穴が空くと思う程
 ガンつけられてる

 何かしたっけ…俺…
 というか…
 あのオレンジ頭の人…
 何処かで見たような…?


 「はいはーい!」

 突然女生徒の1人が
 手をあげる

 「夏井―」

 「高嶺君って
 どこ住んでんの?」

 「真花…突然それ?」

 「いいじゃん
 いいじゃん♪」

 ニッコリ笑いかけられ
 少し戸惑いながらも

 「モチノキ町…隣町」

 と答えた
 少し無愛想だったか?

 「あぁ!どうりで
 見かけない顔だと
 思った!」

 納得したように席につく
 夏井

 「はい」

 「国枝―」

 「勉強と運動
 どっちが得意?」

 「どっちも…かな」

 すごーい!
 と周りから歓声があがる
 つい昔までは勉強以外
 駄目だったけどな

 「はーい!」

 「井上―」

 「お笑いは
 好きですか?♪」

 「まぁまぁかな…」

 その後質問は続き
 1限目はあっという間に
 終わってしまった
 …その間もずっと
 例の人からは
 ガンつけられてた

 早目に思い出した
 方がいいみたいだ…


 「お、もう終わりか…
 お前ら!ちゃんと
 次の用意しとけよ―」

 出席簿を持ち
 (結局してないが)
 担任は出ていった

 俺は言われた席に座り
 一息つくが周りは
 休ませてくれないようだ

 「高嶺君!
 私、井上織姫♪
 何か困った事があったら
 言ってね?」

 「織姫…ちょっとは
 休ませてあげなよ
 急に質問タイムなんかで
 疲れてんだから」

 「あ、ごめんなさい…」

 「い、いや大丈夫…
 こちらこそ宜しくな」

 「アタシは有沢たつき
 たつきって平仮名ね」

 「平仮名?」

 「本当は漢字何だけど
 男っぽくてヤなの」

 「成程…」

 「あ、2人先駆けズルーイ
 アタシは夏井真花!」

 「国枝鈴」

 「お、小川みちる…だよ」

 「本匠千鶴!
 私の姫には手ぇだしたら
 殺すからね☆」

 「よ、宜しく…」

 一通り覚えた…はず

 「うーん…」

 「どうかしました?
 浅野さん」

 「何故敬語!?
 …俺…どっかでアイツ
 見たことあるなぁ…」

 ジーーと高嶺を見つめる
 圭吾に軽くため息を
 つく水色

 「そんなナンパみたいな…」

 「ナンパじゃないもん!」

 「貴方が[もん]言っても
 キモイだけですよ」

 「うわぁああん一護ぉお!
 水色が虐めるぅぅ」

 ガバッと一護に抱きつく
 圭吾だが…
 いつもなら来るはずの
 鉄拳が来ない

 「…一護?」

 思わず顔を覗くと
 激しく眉間に皺を寄せ
 高嶺にガンつけていた

 「一護!?怖っ!怖すぎ!」

 ヒィィとおののき
 水色の後ろに隠れた
 圭吾

 「一護…酷い顔だよ?」

 「!…え?」

 「眉間」

 「あ、あぁ…」

 「知ってるの?
 高嶺君と」

 「いや、違うけど…」

 「そう…」

 そう言うと水色は
 女子に混じり高嶺に
 近づいていった
 (圭吾も同じく)


 「一護…一体
 どうしたと言うのだ?
 不良顔が益々不良顔に
 なっているぞ」

 「誰が不良顔だゴラ
 …そんな睨んでたか?」

 「そりゃあもう」

 「ハァ…黒崎は
 隠すって事が
 出来ねぇのか…」

 肘を立て額に手をやる
 日番谷

 「まぁいい…
 朽木、今から言うことは
 ただの推測だ。
 だか油断するな…と
 斑目達に
 伝えといてくれるか?」

 「は、はい!」

 日番谷がもう一度
 疑いについて話す頃には
 一護の眉間は
 更に深くなっていたとさ





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