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BLEACH小説
また来世で[一織]…死ネタ&捏造





 揺らぐ 揺らぐ




 「いッ…のう…え…」

 彼の悲痛な叫びが
 響く 響く


 私の能力(チカラ)で
 大好きな彼を守れるなら

 「…や…はり…
 君が…私の脅威に…
 なったか…」

 苦しそうに呻き
 前のめりに倒れる
 異形の藍染さん

 埋め込まれていた
 崩玉は今、私の手にある


 「…ごめんなさい
 藍染さん」

 近寄る際に刺された
 お腹の傷から止めどない
 赤が流れる

 目の前も霞み始めて
 揺らぐ 揺らぐ

 でも不思議と痛さはない
 言葉も詰まらない



 藍染さんは
 動かなくなった

 風が吹くと藍染さんの
 体は塵になり
 跡形もなくなった


 残ったのは 全ての元凶
 崩玉


 「……いッッ…井上…」


 世界の終演を
 受け入れる事しか
 出来なかった黒崎君

 フラフラとした足取りで
 私に近づく


 カクッと私の膝は折れ
 力なく私は
 倒れ込んでしまった


 黒崎君は急いで
 私を抱き起こす

 やったぁ…黒崎君の
 腕の中だ…

 「…は、早く…
 手当て…!!」

 いつも暖かい炎が
 灯っている黒崎君の瞳は
 今はただ焦りと
 辛さしか宿って
 いなかった



 私はそっと黒崎君の
 頬に触れる

 あれ?何でだろ
 震えが止まんないよ


 ビクッと肩を揺らす
 黒崎君は動揺した目で
 私を見つめる

 あはは…そんな
 見つめられると
 照れちゃうよ…


 「…わた…しは…
 拒絶する…」

 オレンジの膜が
 黒崎君と崩玉を包む

 「なッ…」

 数秒後には
 黒崎君の怪我も
 なくなり
 崩玉は存在する前の
 時まで戻し消え失せた

 能力、凄い
 上がったなぁ…


 「…えへへ…
 良かった…黒崎君…
 無事で………」


 ちゃんと笑えてるかな

 心配させないように
 心残りなどないように


 「ッッ……!
 …ばか…やろ……
 何で…何で………!!」

 黒崎君は私を
 優しく抱きながら
 手を握りしめた

 私の頬にはポタリポタリと
 水滴が落ちている


 ―…泣いてくれるの?
 私のために…―


 その瞬間私の意識は
 ぐらりと回転し
 真っ暗になってゆく


 「     !!
        !」


 最後に彼の言葉が
 掠れて聞こえた











 有り難う、黒崎君


 私と出会ってくれて
 私を護ってくれて
 私に恋をさせてくれて





 でも1つだけ―
 心残り出来ちゃい
 そうだよ




 『嫌だ…!!
 行かないでくれ…!』







 有り難う、黒崎君

 大好きだよ









 (この世に
 永遠はないけれど)
 (貴方への愛は
 永遠だと思いたい)









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あきゅろす。
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