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粉雪乱舞
この日も僕達は、獣人の討伐に追われていた。
相手は久しぶりに尋常でない程に強い奴等だった。
また数も多く、僕等の他にも数組が激戦を強いられている。

「……キリがないな。幾等振るってもなかなか数が減らない」

普段ならこの槍の一振るいで二人は倒しているが、今回は相手も素早く避けて浅い傷しか負わせられない。


その横ではやはり黙々と彼が己の拳から巨大な氷柱を出し、相手の体を貫かせていた。
僕等には道具を使わなければ発動出来ない自然の力を、彼はいともたやすく具現化させる。

先程体を貫かれた男が崩れ落ち、白い雪原に大きな赤い染みを作らせた。

一段落し、僕はもう一人の共に行動する少女に援護の要請をする。


「沙季、援護を……!?」


しかし呼び掛けても、彼女はピクリとも体を動かさない。
それどころか目には生気がなく、まるで人形のようにじっと佇んでいた。


そしてその背後には―――倒し損ねていた獣人が、長い爪の持った右手を振り上げていた。

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あきゅろす。
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