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私も幹部です。


時の流れとは早いもの(と勝手に自己完結しておこう)。あれから7年の月日が経った。8月が過ぎたとはいえ、まだ蒸し暑い日々が続いているのであろう日本に思いを馳せる。変わっていないのであれば今日は六道骸との戦いの日。確認しようとは思わないけど。


「なーにやってんの」


座っていた私に後ろから抱き付いてきたベル。このやり取りももう何回目だろうか。


「別に・・・・・・」

「・・・そ」


前世の記憶はあろうとも、ベルと双子であることに変わりはない。フェルメールになってから一番多くの時間を共にすごしてきた弟は私のことを理解してくれているらしく、それ以上は突っ込んでこない。ありがたい。

自慢じゃないが前世は容姿端麗・成績優秀・運動神経抜群といいとこどりだった僕。捻くれている僕に時雨は似合わないと一刀両断した僕の夢・・・・・・医者。

医学知識が豊富な頭脳をお披露目したのはもう3年前になるだろうか。明らかに異常だと思われたソレについて問われたとき、別に隠すことでも無かったため簡単に前世の話をした。もちろん漫画の話も含めて、だ。

反応は様々。
此処に来たときに思いついた僕の世界(こんな言い方はどうかと思うが分かりやすいのでこの呼び方をする)にあった漫画はこの世界のパラレルワールドの世界が何らかの形で作者に伝えられ描かれたものではないかという私の仮説を話してみたところ、自分達が創られた存在なのかと(まぁ親によって作られたというのは事実だろう)沈んでいた何人かの機嫌を少し、ほんの少しだけ直すことに成功。

「何故今まで話してくれなかったのか」と問うたベルには「聞かれなかったから」と返した。私の性格をすでに理解していたベルはそれで納得。少し複雑な気分になったのは気のせいだと願いたい。


「今さー、9代目が来てるんだって」

「9代目?なんで」

「ヴァリアーの幹部に仕事だってさ」


仕事?と考えてピンとくる。原作では1ヶ月後にvsヴァリアー編。つまりリング戦。しかしこの世界のXANXUSはリング戦なんてやらない。でもそれでは沢田綱吉たちは成長しない。だから、


「壁になれってことか・・・」

「なに?コレも漫画にあったワケ?」

「正しくは漫画に無いこと。だから頼みにきたんだよ」

「?」


ベルが再度口を開こうとしたところで部屋のドアが開く。


「任務だ、来い」


ボスだ。それだけ言って去っていく。いつもなら彼が直接言いに来るなんてことは無いのだけれど、スクアーロは留守なのだろうか。


「スクアーロじゃなかったし・・・アイツなんかあった?」

「私も同じこと考えてたよ」


ベルとお互いの顔を見合っていたら別の部屋からグラスが割れる音。ああ、スクアーロだなんて思いながら立つ。





私も幹部です。





仲良く手を繋いで部屋を出た。

スクアーロの声が聞こえて2人で笑った。




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