君の声 4 「「行ってきまぁーす」」 秋空と羽衣が家を出た。 「さて。どーすっかな」 晴海はどーやったら入学式に行けるか考えていた。羽衣の嫌がることはしたくない。けど、入学式は見たい。 見たい。 「うーん。見たい」 実はこの日の為に、カメラを新調した。スーツも新しくした。準備万端。 「あれ?羽衣もう出た?」 目を擦りながら現れたのは雄大。 「ああ。今日は入学式だからなっ」 「そっかー。晴海は行かねーの?」 「だめって言われた…」 シュンとする晴海に雄大はにたーとした笑顔を見せる。 「晴海…これ」 「あ?」 雄大が見せたのは一枚の紙。 「んだよ。これ」 その紙は入学証明書と書いてある。よく読むと、この用紙を入学式に必ず持ってくるように書いてある。 羽衣はどうやら大切な書類を忘れたようだ。 「でかした!雄大!!」 「俺も行こーと」 二人の笑顔が重なる。 [*前へ][次へ#] [戻る] |