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君の声
5


「あれ…」


カーテンから溢れる光りの眩しさでカンナは目を覚ました。何度か来たことある見慣れた部屋で羽衣の世話になったことに気がつく。

「ぁー頭いたっ」


もぞっと布団から身体を起こす。辺りを見渡すと自分は羽衣のベットで寝ているようだ。足下を見ると、床に布団を敷いて寝ている羽衣がいた。

「うぃー」

と、起こそうと思った瞬間、

「…雄大さん…またっすか」

羽衣の隣りに寝息を立てている雄大がいた。

「…まったく、この兄弟は…」

何度も見たこの光景に疑問はどこかにいってしまった。

ー起こすのはやめよ。

そっとベットから抜け出し、トイレに行こうと忍び足で二人の横を通った。




「ふぅ…」

トイレを済ませ、とりあえずリビングに顔を出すと晴海が本を読んでいた。

「お、カンナ。起きたか?」

「あ、晴海さん。すいません。泊めていただいて。」

「いーって。なんか食うか?」

晴海がニカッと笑う。

「あーじゃ、コーヒーもらってもいいですか?」

眠気眼を擦りながら、リビングに入る。相変わらず、晴海さんの笑顔は眩しいと考えながら。

「そーいえばさ。雄大のやつ、昨日帰ってきた時、ちょい機嫌悪かったんだけど、なんかあった?」

台所から晴海の声だけが聞こえた。カンナはソファーに座って寛いでいた。

「ぇ。そうなんですか?わたし、酔っぱらってたので、なんも知らないですけど。」

「だよなー。はい、コーヒー」

「ありがとうございます」

ずずっ

「あー目覚める。おいしい」

コーヒーの暖かさが体に染み渡った。

「だろ?俺の特性コーヒー☆」

「…はぃ///」

晴海の屈託のない極上スマイルが染みた。

ーかっこいぃ

大森家にお邪魔する毎に、晴海と雄大のかっこよさを痛感する。周囲の男とあまりにもレベルが違いすぎたのだ。

「晴海さん、相変わらず、笑顔が眩し過ぎます。寝起きにはキツいです…」



カンナは、コーヒーを一気に飲み干した。








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