君の声 2 「羽衣はどこかなぁー」 晴海はサングラスを外しながら、黄色い声援に視線を送る。 「あ!いた!!雄大!羽衣いたよ!!」 「本当だー。いやー卒業したばかりなのに懐かしいなぁー」 二人は三階の校舎から微かに見える羽衣の姿を見つけだした。 「ねぇ、羽衣。晴海さんたちこっちに向かって手ふってるけど。」 窓から二人を見ていたカンナが知らん顔する羽衣に教える。 「…」 …どんだけあの二人は目がいいんだ? 「あ。先生が出てきた。」 「あー…連れてかれたよ?」 カンナは一部始終を羽衣に報告した。 「…ほっといていいよ」 そこでやっと羽衣は校庭に視線を送った。 晴海の黄色いスポーツカーがポツンと校庭にたたずんでいる。 邪魔だなー [*前へ][次へ#] [戻る] |