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みつめてナイト フォローストーリー
第17章 素敵な仲間達 〜ソフィア誕生日編〜 3


夕刻。からんと扉が開き明るい声が店内に響く。
「こんにちは、デコレーションの練習にきたんですけど。」
「あらぁ、待ってたのよ。お父さんが厨房で待っているからそっちに行ってもらえるかしら?」
「あっ、はい、わかりました。」
元気に返事をするとソフィアは店の奥の方へと向かった。
うふふ、全然気がついてないのね。
後が楽しみだわ〜。
「それでは始めようか?スポンジはたっぷり用意したから失敗しても気にしないようにな。」
「はい。」
「では、私が見本を見せるからその通りにやってみてくれ」
スーのお父さんは手馴れた手付きでクリームナイフを動かす。
「・・・とまあ、こんな感じなのだが、できそうかね?」
「はい、やってみます。」
ソフィアも手先が器用なのか、プロにも負けない様な手付きでクリームナイフをさばく。
「ほう・・・上手いじゃないか、これならデコレーションの方は任せても良さそうだな。」
「えっ、そうですか?店長の物に比べれば上手にできたとは思えないんですけど。」
「いやいや、うちの娘に比べれば・・・いや、やめておこう、こういう時に限って聞かれそうだからな。」
「どうかなされましたか?」
「いや、なんでもない。充分に上手だよ、後は個数をこなせば良いんだよ。」
スーのお父さんはポンっとソフィアの頭に手を優しく置いた。
「あっそうそう、今日は遅くなったからうちで御飯食べて行きなさい。」
「えっ、御迷惑になりそうですから。」
「子供が遠慮するもんじゃない。料理が余ったら持って帰っても良いからね。」
ソフィアは店長が何を行っているかわからずちょっとぽかんとしながら
「えぇ、じゃあお言葉に甘えて。」
と、にっこり答えた。


スーが今か今かと、リビングの入り口で厨房の方を覗き込んでいる。
しばらくすると慌てたスーが、飛び込んで来た。
「来たわ!来たわよ!!!」
そして、ソフィアがリビングに入った瞬間にクラッカーを鳴らす。
「ハッピーバースデー!ソフィア(ちゃん)」
「えっ!えっ!えっ!?」
物凄くびっくりした顔のソフィアが入り口で立ちすくんでいる。
すかさずハジメがソフィアを主賓の席に座らせる。
「ほらぁ、席につきなよっ!」
「あ、ありがとうございます、ハジメさん。」
「この誕生日パーティーはねぇ、山懸君が発案者なんだよっ!」
「おいっ!もうばらすのか!?」
「いいじゃないっ、だって良い事でしょう?」
「そうなんだけどなぁ・・・。」
照れくさくなった俺は頭をぽりぽりと掻く。
「そんな事よりもっだ、乾杯と洒落こもうぜっ!」
さくやがこぼれんばかりのジョッキを片手に主張する。
「それもそうね〜、むさい男の子のおしゃべりにばっかり突き合わせちゃ悪いものね、うふふふふ。」
そんなやりとりを聞いているうちにソフィアも落ち着いて来たようだ。
「みなさん、すいません。私なんかの為にこんな盛大なパーティーを開いて頂いて。」
「もう〜、そんなことは言いっこなし。ほらぁ乾杯しましょう?あなたはもちろんジュースだけど。」
「くすっ、そうですね、乾杯しましょう。」
「かんぱ〜〜いっ!!!」
みんなそれぞれ飲み物を一口飲むとソフィアは独りうつむきそっと顔を指で拭った。
みなさん、ありがとうございますと言う小さな呟きとともに。
その後は自己紹介やプレゼントの事などで楽しい宴は更けて行った。
「そろそろソフィアちゃんを帰さないとまずいかな?」
しばらくして俺がふと気がつく
「そうですね、そろそろ帰らないと父が心配しますし。」
「じゃあハジメ、騎士としてレディを送って差し上げろよ。」
「ええ〜っ!ボクなの〜?」
「いいからさっさと行ってきな。片づけはおれたちでやっておいてやるからな、はっはっはっは。」
さくやはソフィアとハジメを肩を押して追い出した。
「ふうん、さすがはさくや、もうとっくに気がついていたのか。」
「まあな、百戦錬磨のこの俺が気がつかない分けがないだろう?はっはっはっは。」
「でもここにスーがいなくてよかったよ、こういう事には首突っ込みたがりそうだからな。」
「まったくだ。」


「今日は本当にありがとうございました。こんなにプレゼントも戴いちゃって。」
「うんとねえ、山懸君が言ってたんだ。アルバイトいっぱいやっているんだって?」
「あの・・・その事、詳しく聞いていますか?」
ちょっと恥ずかしそうにソフィアはうつむきながら尋ねた。
「ううん、聞いてないよ。って言うよりも聞いても全然教えてくれないんだ。」
少し安堵の表情しながらソフィアは満面の笑みで話し出す
「私、素敵な友人に囲まれてとっても幸せです。」
それを聞いたハジメは優しく微笑み、プレゼントの山を抱えながら2人は歩いて行った。





お待たせしました。久々のSSです(^^)/
前回の躍動感から、しっとりした感じのお話でしたね〜〜
静と動のコントラストが素敵です。
 さくやの今回の一押しキャラは、「スーのお父さん」
こういう暖かい、商店街のおじさん いいなぁ〜〜〜〜〜って思いました。
ソフィアちゃん、幸せな誕生会でよかったですね。さくやは最後まで、いつジョアンが乱入するかとハラハラしてました(苦笑)

さて、次回はいよいよクリスマスです☆
誰がパーティに行けるのか? 果たしてハジメくんはアンと会えるのか? 本編にあったように「強制乱入キャラ(爆)は登場するのか???

・・・・次回がいつ上がるかは 貴方の声援次第!!!
 是非一言でも「読みました」「続きよみたい」でもいいので
↓にカキコして下さいね(^^)/
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