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みつめてナイト フォローストーリー
 素敵な仲間達 〜ソフィア誕生日編〜 2

からんと再び扉が開く。
「こんにちは、アルバイトの募集を見て来たのですけれど・・・。」
「いらっしゃい・・・アルバイト? たしかクリスマス用のケーキの製作と販売のだったわよねぇ・・・。」
「あれ?山懸さんお買い物ですか?」
「ああ、ソフィアちゃんどう?最近ハジメの奴とデートしてる?」
そうやって尋ねてみると、少し恥じらいつつも応えてくれる。
「ええ、何だかあまり乗り気ではない様にも思えるんですけど、買い物とかにおつき合いして頂いているんですよ。」
まぁ、人が良いから付き合っているのであろうが、罪な男だ・・・ハジメめ。
「へぇ〜、貴方達顔見知りなの?まあ、そんな事はどうでも良いけど。お父さんなら奥にいるからそっちで聞いてもらえるかしら?」
「はい、わかりました。」
ひとつ軽く会釈をするとソフィアちゃんは店の奥へと消えた。
そう言えば・・・そろそろソフィアちゃんの誕生日だった様な気がするなぁ。
「スーさん、ちょっと相談があるんだけど・・・。」
「うん?できる事と、できない事があるんだけどねぇ・・・。」
小声でとある計画を話す。
「それ!それ良いんじゃない?あなた、あの娘のこと好きなの?」
「そうじゃないけどさ、結構苦労しているみたいだから、たまの楽しみくらいはあっても良いんじゃないか、と思っただけさ。」
「結構良い所あるじゃない!そういう話は私も好きだから乗ってあげるわ。今からお父さんに話してくるから。」
「頼むよ、おっとそろそろ傭兵宿舎での食事の時間だから帰る事にするよ。」
「ええ、後の事は任せて頂戴。」
お互いにいたずらっ子の様な笑顔をしてから、山懸は帰って行った。
スーは、お客が来る気配がないのを確認してから足取り軽く奥へと向かった。
そうよね、これくらいの刺激くらいないと人生面白みもないもんね。


「・・・で、ケーキは作った事があるのかね。まぁ、ブッシュ・ド・ノエルは私が作るとしてデコレーションケーキの方を作ってもらおうと思ってはいるのだが・・・。」
「頑張りますのでよろしくお願いします。」
「ふうむ・・・。まぁ、いいだろう。そのかわり少しはデコレーションの練習をしないといけないんだが。」
「はい、時間をできるだけ空ける様にしますので。」
面接もそろそろ終ろうとしている頃にお店の方からスーの声がする。
「お父さん、ちょっといいかしら?お話があるのですけど。」
「何だね?ふう、すまないね、少し待っててくれるかな?」
そうソフィアに言葉を向けると店主はスーと何やら話し始めた。
「今の話を聞いていると、あの娘雇うんでしょう?」
「ああ、そのつもりだが?気立ても良さそうだし、販売員くらいは最低でもつとまりそうだからな。」
「そんな事はどうでもいいの!あのねぇ、もうすぐあの娘の誕生日なんですって、うまくあの娘の誕生日あたりにバイト入れれないかしら?」
「ふうん、そういう事か。まぁ構わないがね。おまえがそんな事を言うからには他にも協力者がいるんだろうしな。」
「それで、そのままパーティ迄したいのよ。場所提供してもいいわよね。」
「う〜ん、まあいいだろう。ただし元通りに片づけしてくれる事が条件だがね。とりあえず12/10に入れればいいんだな?」
ウインクしてスーのお父さんはソフィアの方へと向き直った。
「ヨロシクね〜。」
とびっきりの笑顔で手を振りながらスーもお店の方へと戻って行った。
「ふう・・・。いや、すまなかったね、それでだね12/10の夜なんか空けてもらえると良いのだが。」
「えっ・・・、はい、良いですよ。その日に来れば良いんですね。」
少し寂しそうにソフィアは答える。
それはそうだろう、自分からアルバイト希望して来たのに誕生日に仕事が入ってしまったのだから。
「それではよろしく頼むよ。」
店主はそう言うと席を立ち、お店の方に向かった。
ソフィアは失礼しますと、挨拶をして帰って行った。
「しかし・・・少し可哀相な気がするがね。」
「いいのよ、そのかわり当日は思いっきり楽しませてあげちゃうんだから。」
ソフィアの背中を見送り、グラフトン親子は店の中に入りながら囁きあっていた。


12/10
1週間の予定を「休息」と申し合わせた俺とハジメだったのだが、お祭り事の大好きなさくやまでもがこの計画に乗って来ていた。
「そう言えばさくやはソフィアちゃんと面識あったのか?」
「いやあ、たぶんないと思うんだがなぁ。ちゃんと準備を手伝うんだから祝う資格くらいはあると思うぞ、はっはっはっは。」
スーの家のリビングの飾り付けをしながら3人で、わいわいやっているとスーが覗きにやって来た。
「ど〜う?はかどってる〜?」
「あのねっ、もう少しで準備は終るよ。喜ぶ顔がみれるのって楽しいよねっ。」
「そう?じゃあ、張り切って頑張ってね〜。」
「う〜む、お店があるとはいえ、少しも手伝おうって気がないのがらしいんだろうが・・・。」
「でもねっ、きっと手伝ってもらおうとすると『これだから年下は女性の扱いがなってない!』って言って怒ると思うよっ。」
「たしかにな・・・。」
3人で笑いあいながら作業は進み。会場の準備は終った。
「さあて、後は主賓のお出ましを待つばかりだな。」
さくやが飾りのキラキラ光る玉を弄びながら呟いた。



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あきゅろす。
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