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みつめてナイト フォローストーリー
一撃の刃(やいば) 〜猛獣 後編〜 3

ドルファン城近く
静けさの中にいつもの街と違うと言うのが分かる。
城から騎士団はまだ出てくる様子はなく、扉は閉じたまま。
どうして俺がここへ赴いたのかと言うと功名心ゆえと言っても言い過ぎではない。
なにせ、城の真ん前では目立つ事請け合いだからだ。

いったん止まって辺りを見回してみると、向う側で大きな熊が見て取れた。
しかも、大きな熊が真っ直ぐこちらに向かってくる。
熊の向かおうとしている方向はたぶん、サウスドルファン駅で行われている市場であろう。
「前回の熊よりは小さいが、・・・薬か?」
サーカスの動物自体が凶暴であると言うのは腑に落ちない。
おとなしくなければサーカスの団員は調教できないし、下手をすると殺されかねない。
以前にハジメと倒した熊は食料を探しに来ていただけなのでここまで凶暴ではなかった。
しかも、2人で闘った為に戦闘は比較的容易であった。
「とりあえずはやってみるか。」
太刀に手をかけたまま熊に向かって声をあげる。
「きえぇぇぃ!」
注意がこちらに向いたようで、熊は俺に向かってくるようだ。
ある程度の距離に来ると、熊は立ち上がり吠えかかる。
この体勢では致命傷を与える事は難しい。
なにせ、一番確実な頚動脈が狙えないからだ。
「とりゃぁぁ!」
太刀を鞘から抜き熊の懐に飛び込む。
その時、熊は両腕を俺の頭めがけて振り降ろす。
俺はこれを待っていた。
身体を前にかがめつつ、後方に飛びすさる。
攻撃のあてがはずれた熊は思わず四つん這いになり頭の周りががら空きとなる。
その隙を逃さずに一気に前方へ飛ぶ。
すれ違いざまに熊の頭の横をすり抜けて、勢いと供に頚動脈を断ち切る。
血飛沫を上げて倒れる熊を背に立ち上がる。
「ちいっ、紙一重で俺がやられる所だったか・・・。」
首に鈍い痛みを感じ、さすってみれば血がわずかながら流れているようだ。
後の事を付近の住民に頼み、俺は現場を後にした。
もちろん俺の名前を告げるのは怠りなく・・・な。

王室騎士団は騒ぎがひとしきり収まった夕刻頃に城門を開けた。
意志決定が遅れていたという事は後になって知ったのだが。
その集団の中から一際目立つ白馬とバラをあしらった鎧を身に着けた騎士が躍り出る。
「ジョアン・エリータス、参上!!さあ、我が刃にかけて住民(ソフィア)を困らす猛獣どもを斬って捨てようぞ!!」
その口上をみつめている住民の目はいささか冷たかった。
「なぁにが気にいらないんだぁ!このボクがせっかく出陣してやっているのにぃ!!」
他の騎士が声をかける。
「もはやすでに事件は収まっているようです。」
「それはいったいどんな奴が収めたと言うんだぁ!」
「どうやら、山縣、さくや、後の1人は東洋人としか分かっておりませぬ。」
「なぁにぃ、そんな奴らの為に、このボクが無駄足を踏まされるとはぁ!!」
「これ以上公衆の面前にいる事自体騎士団の恥。急いで城内に戻りましょう。」
「仕方がない、引き上げるぞ!!」
こうして騎士団は何もせぬまま、事後処理を警備班に任せ城へ戻っていった。






 今回は とっても躍動感というか、スピード感があって さくやは一気に読み上げてしましました!
それにしても、ジーンと馬のシーン良かったですね〜
虎までも慈しむ(でも、その為に人間が犠牲になってもかまわない ってじゃ無い所もとっても良かったぁ)
ジーン。惚れ惚れしちゃいます(=*^^*=)
そして、一撃で(笑)スーをぼ〜〜っとさせてしまった劉青さん。果たして、彼はスーの前にあらわれるのか!?
 ハジメくんの優しさは、まるで羽毛のような暖かさですね(^^)ほわほわと柔らかくてあったかくて・・・スーは幸せものですね〜。
アンには何時逢えるのか、ホントやきもきしちゃいます。アンとハジメ君には幸せになってもらいたいなぁ
 そ・し・て 真打ちの山縣さん! クールで、且つ熱い戦いっぷりは相変わらず良いですね。
劉青さんとはまた違うクールさで、きちんと勲章の亊まで考えてる知略家。
これは ますますライズとの絡みが楽しみになってきました♪
最後に 今回の影の立て役者と言ったら!ジョアン!これはもう大爆笑しちゃいました ””O(≧へ≦)
これで本人は大マジなのですから〜いい味だしてますね。<ジョアン
・・・ジョアンの亊により、ドルファン国の深刻な状況もわかってきて、流石『フォローストーリ−』 と名打つだけはありますね(^^)
 さて、そろそろクリスマスに舞台は移りますね。パーティに来るのはだれなのかな?(わくわくわく)
そして、さくや、山縣、ハジメ、エミリオはパーティに招かれるのか?!(笑)
次回もお楽しみに(^^)/




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